入ってびっくり。センスが良いとかそういうのもあるだろうが、それ以上に驚いたのが、バックヤードの広さ。製麺所といっても過言でない工場と、スープや餃子を仕込んでいる厨房が店の2倍ほどの面積を占めており、よく磨かれたガラス越しに眺められる趣向になっている。単なるセンス追求ではなく、かなり本質的なものを求めている真面目な人が作った店なんだろうと想像が付く。まあ、店員が全てフレンチのギャルソンのようないでたちなのは、やり過ぎかも知れないが。
メニューは昼と夜では違うそうだ。私は昼行ったので、夜の部とは違う感想になるのかも知れない。創業当時の味という醤油ラーメンを食べた。とにかく麺が良い。しこしこした完全ストレート麺。なんとなく生パスタのような感じがする。さすが製麺所を自前で作り、客にアピールするだけのことはある。この麺を食べるだけでも来る価値がありそうだ。スープはちょっとだけ濃厚感が加わったあっさりスープ。揚げねぎが入っているが、
永楽ほど苦い風味はなく、軽く揚げてあるので甘みだけ感じる。この食べやすいスープのせいか客の年齢層が広く、きれいな店内故カップルも多い。強烈なものを期待してはいけないが、中年以上のラーメン好きには良い店だと思う。
ジャポネ
昼 1,000円以下
スパゲッティーとは過去、こういうものだったということを、久しく忘れていた。とにかく驚いたのは、スパゲッティー専門店(カレーもあるようだが)なのに、麺を茹でないことだ。麺はどこぞで茹でられ、缶に詰めて店に持ち込まれる。乾燥すると堅くなるだろうから、ふた付きの缶で持ち込むのであろう。また、太めの麺を柔らかめに茹でてあるから、堅くなっていない。ということは、普通にいえばのびている。スパゲッティーを炒めるのだけが店頭での調理だ。和風、インド風、中華風、イタリア風というメニュー構成が面白い。ジャリコという和風の何でも入りとでもいうメニューを大盛りで頼んだ。
そして旨いのか。というところは難しい。味付けは意外とあっさりしていて、大盛りがするする胃に収まる。小松菜が入っているところなんかは、気が利いている。トマトの酸味もさわやかだ。しかしだ。これがどこかの学食や近所の常用する喫茶店で出されれば、何となく昼食で常食しそうである。ところがこの店は行列を数十分並んでから、やっとありつけるのだ。1時間の昼休みでこの店に出かければ、それなりに満足するだろうが、オフィスへの往復の時間を考えれば、昼休みは丸つぶれである。銀座の昼食で大盛り700円は十分安い。しかし、私なら並んでまでこの店を利用しないだろう。やっぱり麺がもうちょっと旨くないと「麺類」として満足できない。ラーメンではやたらに「麺固めで」というオーダーを、店の主義主張まで無視して乱発する現代人が、この店では腰のない麺を旨そうに食べている。不思議なことだ。