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丸の内線 茗荷谷という、こんなことがなければ絶対に降りることのないような場所にこのレストランはあった。しかも、満開の桜並木の傍ら。近郊にある大学のサークルなのだろうか、大きな声で一気をしているのを苦笑しながら微笑ましく横目で眺めて、少しだけ歩いたところ。階段を登った二階、窓際の席からはすぐ目の前が桜の枝だ。残念ながら、予約をした時期が遅かったので今回の席は奥の部屋だが、小さな窓からはかろうじて桜が見える。 この時期だけグラスで出しているという桜色の発泡酒、イタリアのロゼスプマンテ、フェラーリロゼをぐっとこらえて(お酒があんまり強くないおいらは、発泡酒を最初に飲むと、俄然酔っ払ってしまうのだ。)、食事を決める。メニューは黒板にかかれたものと、本日の魚(5種類ぐらい、もっとか)の実物を大き目の皿に氷を敷いて、テーブルに置いていってくれる。 * ホワイトアスパラとサザエ、芝エビの前菜 * カラスミ、ホタルイカと菜の花のペペロンチーノ。岩のりを練りこんだ太目の自家製パスタで。 * とれたてのイサキの香草オーブン焼き * イベリコ豚の頬肉とソーセージ、春キャベツの煮込み。 そして、あわせたワインは、ヴィエッティのロエロアルネイス '04 自家製のパン(フォッカチオと、バケット)←有料 に添えられたオリーブオイルには、香りと風味豊かなバジルペーストが入っているという気の使い方。美味。 前菜は、上記の素材にグリーンオリーブ、ドライトマトなど細かく切ったものをオリーブオイルで和えてトッピングしてある。ドライトマトとグリーンオリーブの酸味で食べさせたいのであろうが、ホワイトアスパラの自然な甘みには、きつすぎ、魚介のうまみを引き出すには塩気が少々足りない。全体的な火の通しがよかっただけに、少々悔やまれる一品だった。 問題はここから!! パスタ!!! 美味い、素晴らしく美味い。おいらは、自家製パスタにはあまり良い思いがない。乾麺に対してうまみは優ることが多いのは事実だが、いかんせんパスタの命であるアルデンテの食感を演出できていることがあまりにも少ないからだ。しかしここの自家製パスタは、しっかりと練られているだけでなく、その太さをかなり太くすることによって、アルデンテの食感をしっかりと表現していた。その太麺に負けないからすみのパウダー、そして、ふんだんに使われたホタルイカをぷりっと噛めば、その中からはワタのうまみ。からすみ、ホタルイカ、パスタに練りこまれた岩のりの海の香り三重奏を、ガーリックのきいたオリーブオイルが綺麗にまとめている。皿をパンで掃除。美味い。 イサキ。シンプルに香草を腹に詰めて、オーブン焼きしたイサキは楕円形のお皿にガーリックのきいたオイル、香草、生のトマトの細かな角切りと一緒に丸のままテーブルにお目見え。その後に、サービスの方が中骨だけを取って、頭、ひれ、尾っぽが残ったまんま魚の形で、再度テーブルに持ってきてくれる。美味。ふんわりとしかし表面の皮にはしっかりと火の通ったイサキの味が、香草の香りと生トマトのやさしい酸味と甘み、ガーリックオイルのコクに引き立てられて、口の中に広がる。頭、ひれ、尾っぽにこびりついている身までもったいないので手づかみでしゃぶる。もちろん皿はまた、パンでこすって掃除。至福。 豚。ほとんどナイフに抵抗を感じないほど柔らかく煮込まれた豚の頬肉は、一見牛と見間違えるほどの濃い色合い。口に含めば、上品に仕上げられた牛脛肉のような凝縮された味わい。逆に太さ2センチはあろうかという自家製ソーセージは濃厚な豚の香りと豚本来のうまみに満ちている。必要な塩もきっちりと効いている。その両者と春キャベツが煮込まれているソース(もはやスープではない)は、きっちりと詰められた(水分を蒸発させ、うまみを凝縮させた)とろみで、素材に絡んでくる。手間とコストを惜しんでバターとコーンスターチでとろみをつけたようなくどさがない。しかし、濃厚。くどくないのに、濃厚なのだ。絶品。仕事のしてある一品というべきだろう。 あまりの食事の楽しさに、チーズまで頼んでしまった。デブまっしぐら。。。 その後は、お待ちかねのデザート。大きな皿にいくつものケーキを並べて、目の前で一つ一つ説明してくれる。おいらが選んだのは、金柑のタルト。見事に皮のままコンポートとなった金柑が、ナイフと入れればはらりと崩れるようなタルト生地の上に所狭しと乗っている。昔、ばーちゃんが煮てくれた金柑を思い出す懐かしい味。もちろん、こちらのほうが何倍も洗練されているのだが。金柑の持つ苦味を感じさせながら極力押さえ、その硬い皮も、もともと硬いのだということを忘れてしまうような柔らかさ。やさしく香る桜のアイスも添えられて、最後の締めくくる贅沢として申し分ない。 サービスの方との対話も楽しく、素晴らしいひと時。これだから食い歩きは止められねェ。 ひとつだけレストランへの注文をいうのであれば、ワインが少々高め。良いワインを置いているのではあるけれども、躊躇なく食事を楽しむために四千円台後半から五千円台前半ぐらいのラインナップにもう少しボリュームが欲しい。そのことを帰り際に告げたら、前のマネージャーが本国で買い付けてきたものが昔の値段でまだ残っちゃってるんだってさ。少しがんばって安くして、回転させちゃえばいいのにね。
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タベルネッタ アグレスト 池袋-高田馬場・巣鴨(茗荷谷)/ イタリア料理[ 平均:
4.0pt ]
丸の内線 茗荷谷という、こんなことがなければ絶対に降りることのないような場所にこのレストランはあった。しかも、満開の桜並木の傍ら。近郊にある大学のサークルなのだろうか、大きな声で一気をしているのを苦笑しながら微笑ましく横目で眺めて、少しだけ歩いたところ。階段を登った二階、窓際の席からはすぐ目の前が桜の枝だ。残念ながら、予約をした時期が遅かったので今回の席は奥の部屋だが、小さな窓からはかろうじて桜が見える。
この時期だけグラスで出しているという桜色の発泡酒、イタリアのロゼスプマンテ、フェラーリロゼをぐっとこらえて(お酒があんまり強くないおいらは、発泡酒を最初に飲むと、俄然酔っ払ってしまうのだ。)、食事を決める。メニューは黒板にかかれたものと、本日の魚(5種類ぐらい、もっとか)の実物を大き目の皿に氷を敷いて、テーブルに置いていってくれる。
* ホワイトアスパラとサザエ、芝エビの前菜
* カラスミ、ホタルイカと菜の花のペペロンチーノ。岩のりを練りこんだ太目の自家製パスタで。
* とれたてのイサキの香草オーブン焼き
* イベリコ豚の頬肉とソーセージ、春キャベツの煮込み。
そして、あわせたワインは、ヴィエッティのロエロアルネイス '04
自家製のパン(フォッカチオと、バケット)←有料 に添えられたオリーブオイルには、香りと風味豊かなバジルペーストが入っているという気の使い方。美味。
前菜は、上記の素材にグリーンオリーブ、ドライトマトなど細かく切ったものをオリーブオイルで和えてトッピングしてある。ドライトマトとグリーンオリーブの酸味で食べさせたいのであろうが、ホワイトアスパラの自然な甘みには、きつすぎ、魚介のうまみを引き出すには塩気が少々足りない。全体的な火の通しがよかっただけに、少々悔やまれる一品だった。
問題はここから!! パスタ!!! 美味い、素晴らしく美味い。おいらは、自家製パスタにはあまり良い思いがない。乾麺に対してうまみは優ることが多いのは事実だが、いかんせんパスタの命であるアルデンテの食感を演出できていることがあまりにも少ないからだ。しかしここの自家製パスタは、しっかりと練られているだけでなく、その太さをかなり太くすることによって、アルデンテの食感をしっかりと表現していた。その太麺に負けないからすみのパウダー、そして、ふんだんに使われたホタルイカをぷりっと噛めば、その中からはワタのうまみ。からすみ、ホタルイカ、パスタに練りこまれた岩のりの海の香り三重奏を、ガーリックのきいたオリーブオイルが綺麗にまとめている。皿をパンで掃除。美味い。
イサキ。シンプルに香草を腹に詰めて、オーブン焼きしたイサキは楕円形のお皿にガーリックのきいたオイル、香草、生のトマトの細かな角切りと一緒に丸のままテーブルにお目見え。その後に、サービスの方が中骨だけを取って、頭、ひれ、尾っぽが残ったまんま魚の形で、再度テーブルに持ってきてくれる。美味。ふんわりとしかし表面の皮にはしっかりと火の通ったイサキの味が、香草の香りと生トマトのやさしい酸味と甘み、ガーリックオイルのコクに引き立てられて、口の中に広がる。頭、ひれ、尾っぽにこびりついている身までもったいないので手づかみでしゃぶる。もちろん皿はまた、パンでこすって掃除。至福。
豚。ほとんどナイフに抵抗を感じないほど柔らかく煮込まれた豚の頬肉は、一見牛と見間違えるほどの濃い色合い。口に含めば、上品に仕上げられた牛脛肉のような凝縮された味わい。逆に太さ2センチはあろうかという自家製ソーセージは濃厚な豚の香りと豚本来のうまみに満ちている。必要な塩もきっちりと効いている。その両者と春キャベツが煮込まれているソース(もはやスープではない)は、きっちりと詰められた(水分を蒸発させ、うまみを凝縮させた)とろみで、素材に絡んでくる。手間とコストを惜しんでバターとコーンスターチでとろみをつけたようなくどさがない。しかし、濃厚。くどくないのに、濃厚なのだ。絶品。仕事のしてある一品というべきだろう。
あまりの食事の楽しさに、チーズまで頼んでしまった。デブまっしぐら。。。
その後は、お待ちかねのデザート。大きな皿にいくつものケーキを並べて、目の前で一つ一つ説明してくれる。おいらが選んだのは、金柑のタルト。見事に皮のままコンポートとなった金柑が、ナイフと入れればはらりと崩れるようなタルト生地の上に所狭しと乗っている。昔、ばーちゃんが煮てくれた金柑を思い出す懐かしい味。もちろん、こちらのほうが何倍も洗練されているのだが。金柑の持つ苦味を感じさせながら極力押さえ、その硬い皮も、もともと硬いのだということを忘れてしまうような柔らかさ。やさしく香る桜のアイスも添えられて、最後の締めくくる贅沢として申し分ない。
サービスの方との対話も楽しく、素晴らしいひと時。これだから食い歩きは止められねェ。
ひとつだけレストランへの注文をいうのであれば、ワインが少々高め。良いワインを置いているのではあるけれども、躊躇なく食事を楽しむために四千円台後半から五千円台前半ぐらいのラインナップにもう少しボリュームが欲しい。そのことを帰り際に告げたら、前のマネージャーが本国で買い付けてきたものが昔の値段でまだ残っちゃってるんだってさ。少しがんばって安くして、回転させちゃえばいいのにね。