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その昔、とんかつは寿司よりも鰻よりも天麩羅よりも高級なご馳走でした。
豚肉だって、今どきのブランド・ポークなんかよりよっぽど美味しかったのです。
例えば、一流フレンチのイベリコ豚ロースのグリエなどと比べてみても、
極上のとんかつであれば、豚肉料理としての完成度はずっと上だと思います。
しかし、残念ながら、今ではそういう「本当のとんかつ」はほとんど姿を消してしまいました。
ここでは、昔の「本当のとんかつ」を偲ばせる、数少ないとんかつ屋さんをピックアップしてみます。
基本要件は、① ロースかつで、② 定食価格が1,500円以上、の2点です。
Aランクのお店はもちろんですが、Cランクのお店でも値段相当の価値はあると思います。
なお、選者の基準は、最も重視するのは肉で、厚めでジューシー、旨味が濃く、脂身が多めで、柔らかすぎない適度な弾力のあるもの、次に衣で、しっかりとした食感で風味のよいもの、そして油は、植物油かラード、という感じです。
したがって、薄い肉、ぱさぱさの肉、旨味の足りないもの、脂身のすくないもの、極度にやわらかいもの、弱い衣、焦げぎみの衣、ごま油を使ったもの、などは相対的にランクが低くなっています。また、評価はとんかつ自体が中心ですので、ご飯や味噌汁や副菜がいかに良くできていても、高い評価にはなりません。
ちなみに、有名店で選から外したものには、
双葉(上野)、ぽん多本家(上野)、ぽん太(代官山)、勝漫(淡路町)、丸栄(自由が丘)、丸一(大森)、とんき(目黒)、まい泉(表参道)などがあります(他に、ひれかつ専門店も当然除外されています)。