マヌエル コジーニャ・ポルトゲーザへの達人のクチコミ
渋谷の喧騒を抜けて、少し離れた道沿いにある、可愛らしい雰囲気の、
こじんまりとした佇まいを見せる、ポルトガル料理のお店でございます。
全体的には、ガーリック、トマト、それにコリアンダーやスパイスが効いていて、イタリアンやスパニッシュのそれよりも、更に味を濃厚にした様な
味わい・・・どこか異国情緒漂う、そして懐かしい様な内容のお料理がいただけます。
日曜もランチをやっておりますので、松濤美術館や松濤公園の散策のついでに立ち寄られて見るのも宜しいかと思います。
8月のある休日、友人から近くでランチのお誘いがあり、兼ねてから気になっておりました、こちらのお店に伺う事に致しました。
ご近所に有りながら、いつも前を通り過ぎるだけで、何故か伺えなかったお店・・・
耳煩い程の蝉時雨と照り返す夏の日差しの中、約束の時間にお店に伺いました。
黄色い壁に小さな窓・・・本当にそこだけポルトガルから切り取ってきた様なこじんまりとした佇まい・・・
ドアを開けると、7、8席の4人掛けのテーブル席、恐らく30人も入れば一杯であろう程の可愛い店内、黄色の壁にテーブルに掛けられた濃いクリーンのクロスがどこと無くポルトガルといった感じが致します。
既に友人が1名着席しておりましたので、もう1人の到着を待ちながら、まずはスパークリングワインで乾杯致しました。
微発泡で軽やかな、微かに青い林檎すっきりとした味わい・・・
猛暑の夏の午後にはぴったりの感じでございます。
やがて、少し遅れてやってきた友人が到着し、メニューを選び、賑やかな午餐が始まります。
ランチは小さなスープ(この日はガズパチョ)とパンが付き、メインを選べる形になっておりましたので、
それぞれ、子羊のグリル、スペアリブと豆のフェアジョアーダ、たこのリゾットを選び、シェアして頂く事に致しました。
それに予めお願いしておいたこちらのお店の名物、バカリャウ(干し鱈)のコロッケと茹でたお野菜の盛り合わせをお願い致しました。
それぞれのお料理は色彩鮮やかなポルトガルから買い付けたと言う、手描きのお皿に盛られてまいります。
濃いグリーンのテーブルクロスにお料理とお皿がとても美しく映えます。
ガスパチョは思ったよりも軽い味わいで、食事の前にピッタリの口当たりの良いお味。
茹でたお野菜は、人参、じゃが芋、ブロッコリー、キャベツ等をさらりとブイヨンで茹でて、これににんにくの効いたオリーヴオイルと塩で頂きます。非常にシンプルでは有りながら、それぞれのお野菜の甘味や本来持ち合わせている味がしっかりと感じられる、お野菜好きには嬉しい一品。
バカリャウのコロッケは、コリアンダーがたっぷり混ぜてあり、これがじゃが芋と干し鱈の淡白な味わいにしっかりとした存在感を示しておりました。
ワインよりもビールに合いそうな一品でございます。
フェアジョアーダは、やや濃いトマトと塩味が感じられるお料理で、スペインや南米のそれよりも、何故かよりエスニックな感じを頂いてしまう不思議なお味。
スペアリブに絡んだソースが冷えた白ワインと良く合います。
タコのリゾットも同様に、濃いトマトの味が基本となっており、こちらはよりオリーヴオイルとにんにくの風味が強く、優しさよりも寧ろ刺激的な、それでいて、どこか田舎っぽい、お醤油の味を想わせる様な、懐かしい味わいを感じました。やはりお米やタコといった食材がそう感じさせるのでしょうか?
子羊のグリルは、骨付きの子羊をこんがりとローストしてあり、これにモーリョヴェルデと云う、コリアンダーや葉玉ねぎを磨り潰した
薬味を添えて頂きます。この薬味の味わいが、いかにもポルトガルらしさを想わせる一品でございました。
コリアンダー、オリーブオイル、ガーリック、濃いトマトとはっきりした塩味・・・それで居て、同様の食材や味付けにも関わらず、イタリアの陽気さや、スペインの派手さとも違う、少し鄙びた感じのお料理・・・
暑い夏の午後、まったりとした時間を過ごしながら、最後に運ばれてきた珈琲のカップを手にして、ふと見渡すと
やや薄暗い影を秘めてひっそりとした店内に、明るい午後の日差しがくっきりとテーブルに光と影のコントラストを描き出しています。
南蛮と云われた異国のお料理に想いをめぐらせながら、テーブルに差し込む強い夏の日差しが、
ここが日本ではなく、かの西方の国、葡萄牙の名も知らぬ、どこかの港町に居るような錯覚すら覚えさせるのでございました。
石畳の続く入り江の坂道に黄色い壁に瓦屋根の小さな家々が連なり、
赤や黄色の花に彩られた小さな窓の中では、午睡の刻を迎えてひっそりと鎮まり、照り付ける太陽に描き出される暗い影、
そして眼下には、眩しい青さで海が広がって・・・
ふっと、見たことも無い光景が幻の様に浮かんできます。
まどろみを残しながら店を後すると、その小さな店のドアの向こうは、瞬く間に、現実の夏の太陽に照り返すアスファルトと連日の暑さで項垂れている街路樹の街並みが飛び込んで来て、ここが紛れもなく、日本の東京である事を実感させられます。
振り返ると、小さな黄色い壁のお店は、もう午睡の時間を迎えてしまったのか、ひっそりと日差しに影を落としながら息を潜めておりました。
耳煩う程の蝉時雨の中、夾竹桃の紅だけが、風のない夏の時間に艶やかな姿を見せておりました。
束の間の異国への旅でした。
こじんまりとした佇まいを見せる、ポルトガル料理のお店でございます。
全体的には、ガーリック、トマト、それにコリアンダーやスパイスが効いていて、イタリアンやスパニッシュのそれよりも、更に味を濃厚にした様な
味わい・・・どこか異国情緒漂う、そして懐かしい様な内容のお料理がいただけます。
日曜もランチをやっておりますので、松濤美術館や松濤公園の散策のついでに立ち寄られて見るのも宜しいかと思います。
8月のある休日、友人から近くでランチのお誘いがあり、兼ねてから気になっておりました、こちらのお店に伺う事に致しました。
ご近所に有りながら、いつも前を通り過ぎるだけで、何故か伺えなかったお店・・・
耳煩い程の蝉時雨と照り返す夏の日差しの中、約束の時間にお店に伺いました。
黄色い壁に小さな窓・・・本当にそこだけポルトガルから切り取ってきた様なこじんまりとした佇まい・・・
ドアを開けると、7、8席の4人掛けのテーブル席、恐らく30人も入れば一杯であろう程の可愛い店内、黄色の壁にテーブルに掛けられた濃いクリーンのクロスがどこと無くポルトガルといった感じが致します。
既に友人が1名着席しておりましたので、もう1人の到着を待ちながら、まずはスパークリングワインで乾杯致しました。
微発泡で軽やかな、微かに青い林檎すっきりとした味わい・・・
猛暑の夏の午後にはぴったりの感じでございます。
やがて、少し遅れてやってきた友人が到着し、メニューを選び、賑やかな午餐が始まります。
ランチは小さなスープ(この日はガズパチョ)とパンが付き、メインを選べる形になっておりましたので、
それぞれ、子羊のグリル、スペアリブと豆のフェアジョアーダ、たこのリゾットを選び、シェアして頂く事に致しました。
それに予めお願いしておいたこちらのお店の名物、バカリャウ(干し鱈)のコロッケと茹でたお野菜の盛り合わせをお願い致しました。
それぞれのお料理は色彩鮮やかなポルトガルから買い付けたと言う、手描きのお皿に盛られてまいります。
濃いグリーンのテーブルクロスにお料理とお皿がとても美しく映えます。
ガスパチョは思ったよりも軽い味わいで、食事の前にピッタリの口当たりの良いお味。
茹でたお野菜は、人参、じゃが芋、ブロッコリー、キャベツ等をさらりとブイヨンで茹でて、これににんにくの効いたオリーヴオイルと塩で頂きます。非常にシンプルでは有りながら、それぞれのお野菜の甘味や本来持ち合わせている味がしっかりと感じられる、お野菜好きには嬉しい一品。
バカリャウのコロッケは、コリアンダーがたっぷり混ぜてあり、これがじゃが芋と干し鱈の淡白な味わいにしっかりとした存在感を示しておりました。
ワインよりもビールに合いそうな一品でございます。
フェアジョアーダは、やや濃いトマトと塩味が感じられるお料理で、スペインや南米のそれよりも、何故かよりエスニックな感じを頂いてしまう不思議なお味。
スペアリブに絡んだソースが冷えた白ワインと良く合います。
タコのリゾットも同様に、濃いトマトの味が基本となっており、こちらはよりオリーヴオイルとにんにくの風味が強く、優しさよりも寧ろ刺激的な、それでいて、どこか田舎っぽい、お醤油の味を想わせる様な、懐かしい味わいを感じました。やはりお米やタコといった食材がそう感じさせるのでしょうか?
子羊のグリルは、骨付きの子羊をこんがりとローストしてあり、これにモーリョヴェルデと云う、コリアンダーや葉玉ねぎを磨り潰した
薬味を添えて頂きます。この薬味の味わいが、いかにもポルトガルらしさを想わせる一品でございました。
コリアンダー、オリーブオイル、ガーリック、濃いトマトとはっきりした塩味・・・それで居て、同様の食材や味付けにも関わらず、イタリアの陽気さや、スペインの派手さとも違う、少し鄙びた感じのお料理・・・
暑い夏の午後、まったりとした時間を過ごしながら、最後に運ばれてきた珈琲のカップを手にして、ふと見渡すと
やや薄暗い影を秘めてひっそりとした店内に、明るい午後の日差しがくっきりとテーブルに光と影のコントラストを描き出しています。
南蛮と云われた異国のお料理に想いをめぐらせながら、テーブルに差し込む強い夏の日差しが、
ここが日本ではなく、かの西方の国、葡萄牙の名も知らぬ、どこかの港町に居るような錯覚すら覚えさせるのでございました。
石畳の続く入り江の坂道に黄色い壁に瓦屋根の小さな家々が連なり、
赤や黄色の花に彩られた小さな窓の中では、午睡の刻を迎えてひっそりと鎮まり、照り付ける太陽に描き出される暗い影、
そして眼下には、眩しい青さで海が広がって・・・
ふっと、見たことも無い光景が幻の様に浮かんできます。
まどろみを残しながら店を後すると、その小さな店のドアの向こうは、瞬く間に、現実の夏の太陽に照り返すアスファルトと連日の暑さで項垂れている街路樹の街並みが飛び込んで来て、ここが紛れもなく、日本の東京である事を実感させられます。
振り返ると、小さな黄色い壁のお店は、もう午睡の時間を迎えてしまったのか、ひっそりと日差しに影を落としながら息を潜めておりました。
耳煩う程の蝉時雨の中、夾竹桃の紅だけが、風のない夏の時間に艶やかな姿を見せておりました。
束の間の異国への旅でした。