イデミ・スギノ [ひげおじさんさんのクチコミ]

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イデミ・スギノ (いでみすぎの / Hidemi Sugino)

評価4.04.0pt

イデミ・スギノ のクチコミ

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  • 評価:2
  • 2pt
料理
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サービス
評価00pt
雰囲気
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CP:コストパフォーマンス
評価00pt
イデミ・スギノへの達人のクチコミ
[投稿日:2004/03/17
 もう来るつもりはなかったが、先週、味を確かめに行ってきた。ブログにコメントが入っていたので、やはり最新情報で応じるべきと、寝静まったような一画に分け入った。もう銀座、京橋は土地勘も薄くなってきて、修学旅行の学生の気分だった。この店を紹介したTVプログラムなら、私も最後の5分ほどを見た。影に徹する。職人の身の振り方はこれに尽きる。柴田書店刊の著書の最後のページには、店に電話をかけないでほしい、という旨の一文があって、ちょっとドキリとした。そのようなことわりは初めてだし、異例だ。だが、熱狂的なファンの多い店だし、それもやむを得ないのだろう、とこの時点では納得した。あのTVプログラムと遭遇したのは、その後のことで、違和感がつのった。いきおい、つい批判的になってしまうが、それはそれとして、現時点で以前に書いたことが本当に自分の意見かどうかは冷静に吟味しなければならない。今回は「トロピック」と「ミス・アルピオン」を選んだ、と言いたいが、ほとんどがイートインで、持ち帰り可能なのは、この二つのほか、ほとんどなかった。欠品は2品ほど、イートインはまばら、店内は私一人、エアポケットなのか、素早いブームが去ったのかは判然としない。包みができる間、ショーケースをじっくり眺めた。相変わらず、生地のバリエーションが足りない。フィユタージュはどうしても焼きたくないらしい。全種類ふわふわのスポンジと見えた。タルトもあるが、この店のは皿としてパートシュクレを使っていて、固過ぎる。意思をこめた固さかと言えば防水効果を狙ったものだ。上側との口どけとの計算には少々狂いがある。タルトの基本は焼成一発。これだとバーナーによる炎の後付けのような装飾的効果は期待できない。加熱は人間の予測を越えて暴れる。不細工といえば不細工。だがフランス菓子の魅力はこれだ。デザインの後付けをして華やかに見せることには意味を感じない。「トロピック」と「ミス・アルピオン」は上出来だと思う。しかし味のイマージュに斬新さはなかった。前者は方程式通りで、新作と表示されていたが、このパターンのものはすでに食べていた。中央にジュレ、三枚のビスキュイ、間にクレーム。今回の夏バージョンはマンゴー。酸味の通りが良く、ジューシーな印象。素材、技ともにさえを感じる。「ミス・アルピオン」は名前そのもの、女性的で、女性が食べるお菓子だが、ほかはイートインだったので仕方がない。許せと言いたい気分だが、とにかくぱくっと食べる。2枚のチョコのスポンジで、チョコの量が多そうだったが、ミントを微妙に粗めにしてあり、このムースの滞留時間が長く、ハーモニーは過不足なく生成された。ミントの鮮度は抜群に良かった。ただしこの組み合わせは、あるいはこの店の影響下に作られたものなのか、すでにどこかで食べていて、おおっという感動には至らない。「トロピック」もそうで、ジュレを挟んだトロピカルフルーツのムースケーキは、ショーケースにないほうが稀なほど、今は東京中で一般的になっている。とは言え、一段上の味であることは間違いない。それでも尚、いつものように通り過ぎた後の満足、また食べたい、という気持ちが起きないのはなぜか。柔らか過ぎる。骨がない。単位容積当たりの水分が多く、油脂の比率が必然的に低くなる。凝縮感が不足する。食べているという実感は噛んでいる実感のことだろう。それにしても、「ミス…」は柔らかいお菓子で、5分後にすぐに食べたが、早くも限界に近かった。持ち帰り時間を30分程度は想定しているはずだが、15分でも真夏だと厳しい。それほどデリケートも言えるし、ゼラチンを控えているとも言える。しかし付け加えれば、油脂が少なく水が多過ぎるのだ。だから熱風がほんのちょっとかすめただけでダメージを受ける。やわらかいって、そんなに、大事なことなのか。フランス人は毎日ハードブレッドを食べる。彼らは世界一顎が丈夫だ。男女で言えば男のほうが無論強い。その男の顎に合わせて発達し、体系付けられたのがフランス菓子だ。これは歴然とした事実。変化があるとしても、フランスの文化は土台が動くわけはない。そう見えても、土台はそのまま、その上の現象が動いている。日本人は世界一顎が弱い。そして男女で言えば女性のほうが弱い。私のこの店のお菓子に言いたいことは、もうこれでわかるだろう。昨日硫黄島玉砕で生き残った人たちのドキュメンタリーを流していたが、最後は木炭を食べた、と言っていた。噛むという人間の根源的な欲求はそれほど強いのだ。
★★
 エベレストとかいうふわっとしたケーキの後味の虚しさは一体なんなのだろう。これはブリオッシュを土台にして作る「ポロネーズ」に材をとったのだろうか。この伝統的なフランス菓子に流れるある種の西洋的な輪廻の思想をことさら重く受け止めるだけに(売れ残ったというとおかしいが、前日に焼いた固くなったブリオッシュを使用する)、その比較論が妥当かどうかはともなく、非常に大きな疑問を感じた。これほどの希薄感になびく時代に恐ろしさを感じる。
★★
1.造形と色彩
 お菓子は唾液と混じりあわなければならない。味はそのようにして認識される。造形美の必要は一定程度認めるとして、破壊という究極のテーマに真っ直ぐに向かっていない。お菓子作りは、オブジェ、建築などとも重なる要素は多いが、イコールではなく、最終的には口の中で咀嚼されることの中にしか意味はない。あるいは壊されるために存在すると言い換えることもできる。「美」の背後の「破壊」というパラドックスへの真摯な取り組みが見えない限り、そこに作り手の精神性を感じ取ることはできない。
2.本能レベルにおける解釈
 きれい、美しい、そしてかわいい―イデミスギノのためにあるような言葉だろう。もし、このような感覚が、フランス菓子の目指すべき最終的な地点であるなら、この店に最高点が付くことに異論はない。だが、これらは女性の欲求に見合った視覚的な要素ではないのか。カワイイと食欲は必ずしも連動していない。特に男性の場合はそうだ。むしろ食欲が萎えてしまうことにもつながる。こうした根源的な欲求を男性の中で探せば、それは母性本能に対する闘争本能になろう。男性は、自分に向かってくる強さに食欲を掻き立てられる。イデミスギノは女性の価値観にしか訴えていない。
3.柔らかさは進化か
 「神はなぜ人間に歯を与えたのか」にこだわっている。イデミスギノのもちもちふわふわのビスキュイやジェノワーズ。現在のアイテムは柔らかさに傾斜し過ぎている。商品構成に焼き菓子の占める比重が少ない。確かに袋入りの焼き菓子はある。しかし、フランス修行を経験したものなら、焼き菓子とは、しっかりオーブンで焼きこんだタルトであるはずだ。贈答品としての焼き菓子ではなく、真っ黒に焼きこんだ本物の焼き菓子を「これでどうだ」とばかりに提供してくれたら、私の見方は変わるかもしれない。
 ムースケーキの少なめのゼラチンは進化ではない。それは、菓子屋の菓子が、レストランで供されるデセールに近づいただけと見る。持ち歩き不可、30 分以内は、お菓子の状態を考慮すれば当然のことと言えるが、持ち帰りたい客への配慮もまた必要。菓子屋は、持ち帰りの負担を与えないようにあれこれ工夫しながら体系を作ってきたのだし、その難しい条件をクリアしようとして、現在においても、レストランのデセールを上回るおいしさを作り出せていると考える。
3.単純系と複雑系
 ムースのおいしさは、瞬間的な口どけの早さにある。だから、素人だって上等なピューレを使えばそれなりのムースが作れる。イデミスギノの場合は、それを越える域なので、それ自体を問題視したくはないが、ムースは舌と脳を「単純な経路」でのみ作用するのではないか。味の単純系と複雑系ということ。単純系に傾くと、味に対して受身の姿勢、怠惰な感性が身についてしまう。味を積極的に捕捉する、能動的な、前向きな姿勢が作られなくなる恐れがある。ムースを舌に乗せてそれを溶けるに任せるうちに発現するおいしさと、噛むという動作を加えて、全身の動きとして味を感じるかの違いである。ここからさらに、菓子に含まれる栄養が、胃腸から吸収され、血液に流れ全身に回って、精神と肉体の両方の満足を見極める内観が行われる。複雑系によるおいしさは、内観による味の把握への道であり、これはより高みへと導くおいしさの領域である。これは「味覚の身体性」と言い換えることができる。
4.加熱と感動
 料理の感動は加熱と表裏一体の関係にある。前菜は冷たくても構わないが、主菜は十分に焼かれ、煮込まれる必要がある。料理自体の温度という以上に、素材が火に触れ、火のエネルギーを、原初的なパワーを宿したかどうか。ムースは、基本的に冷却の方向の作業だ。細かな手作業が多く、焼き菓子よりも手間がかかる面があるとはいえ、火との接触がなければ、その菓子が本当に魂を宿したとは言えない。生地に火の要素は含まれるが、生地の比率が少なすぎる。後々まで残る、深い層に根を張った感動、それをもう一度得たいと願う気持ち、できないときの飢餓感――これらを与えるのが、本当のおいしさではないだろうか。
★★
どこからか舞い降りた感じのする生菓子の一列にたじろぐ。根をなくした一つ一つが宙に浮いている印象さえある。全体を部分に分けてそれらを張り合わせて再構成するのではなく、手のひらの中で入念に作り込まれ、どれもが異なる表情を宿し、影らしいものが見られないことに戸惑いを覚えている。一歩遠のいて俯瞰すれば、構文解析不能な言語と調律を超えた音の羅列、そこから派生する永遠の命題が、分厚いガラスを通りぬけて愚か者の心の深層に偲び込み、寓話的な生き物カトブレパスに化けて内臓を食い荒らそうと牙をむいている。つまりは、初対面の「イデミズム」に完全にやられてしまっている。わかる者だけで十分といわんばかりの選良性と、さて我は誰の手に落ちるものやらというガトーのあっけらかんとしたささやき。これらに面と向かって渡り合えるのはいつのことになるのだろう。だが、この時「チェーン化することの不可能性」というひらめきが、「イデミズム」への回答ではなく、より大きな普遍性を持って立ち現れ、自らが何を求めてさ迷っているのかの外郭をおぼろげながら掴んだような気がしたのだ。啓示的な出来事にめまいを覚えて、シニカルな思い一杯の、冷やかし半分の来店が、記念日としての価値を伴って反転し、幾何学(グレープフルーツのムースケーキ)と孫悟空の雲(栗のムースケーキ)を携えて春の風に身を躍らせていた。結果から言えば、味には空虚さが残った。古典に習熟した上で立脚を潔く取り払ったのはいいとして、素材のハーモニーそのものには冒険が不足していると感じた。伝統主義を凌駕する革新性に満ちた色彩の魔術の中核要素に「黄金比」が内在していないだろうか。そこに落胆を禁じえなかった。
  • 評価・・・料理
  • サービス・・・サービス
  • 雰囲気・・・雰囲気
  • CP:コストパフォーマンス・・・コストパフォーマンス

店舗情報を編集

イデミ・スギノの登録情報

店名
イデミ・スギノ
よみ
いでみすぎの
ジャンル
最寄り駅
住所
〒104-0031  東京都中央区京橋3丁目6-17京橋大栄ビル1F  [地図]
電話
03-3538-6780
お店HP
http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/1...
定休日
月曜日

(月曜(祝日の場合は翌日休))

営業時間
  • [平日]10:00 - 19:00
  • [土曜日]10:00 - 19:00
  • [日曜・祝日]10:00 - 19:00
平均予算
  • 昼: 5,000~10,000円
  • 夜: 1,000~3,000円
特徴
行列ができるのも納得、朝から美味しいケーキ争奪戦♪
イデミ・スギノのQRコード ケータイで左のQRコードを読み取りアクセスしてください。

備考

銀座線京橋駅下車(または有楽町線銀座一丁目駅)徒歩1分程。警察博物館わき道を入ってすぐ。

登録者
Le coeurさんLe coeur
登録日
2003/01/12
更新日
2008/06/29

登録内容について

livedoor グルメに掲載されている情報は、ユーザーが任意に登録したものです。掲載内容は保証されてませんので、お出かけ前に電話などで必ずご確認ください。

イデミ・スギノ周辺のお店

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テレビ番組で紹介されたお店情報
2010/01/03(日)
竹岡らーめん

竹岡らーめん バイパス店(0)

評価平均・0.00000pt0.0pt

巌根, 祇園(千葉), 上総清川 / ラーメン一般

  • 番組:空から日本を見てみよう
  • 出演:伊武雅刀 / 柳原可奈子
椿

椿(16)

評価平均・3.58824pt3.6pt

成城学園前, 喜多見, 祖師ケ谷大蔵 / とんかつ

  • 番組:食の賢人!初春バトル
  • 出演:道場六三郎 / 服部幸應
2010/01/02(土)
みるくのアトリエ

みるくのアトリエ(1)

評価平均・3.00000pt3.0pt

サッポロビール庭園, 恵庭, 長都 / ピザ

  • 番組:スペシャルアンコール
  • 出演:久本雅美 / 安住紳一郎
焼肉酒家 傳々

焼肉酒家 傳々(9)

評価平均・4.28571pt4.3pt

月島, 勝どき, 越中島 / 焼肉

  • 番組:グータンヌーボ
  • 出演:優香 / 松嶋尚美
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