神田広達シェフのパティスリーです。
ら・利す帆んで辻口シェフと共に修行した後、渡仏。数々のコンクールで入賞を果たし、実家であるロートンヌを継いだのは1998年。あまり百貨店のクリスマスケーキなどでも受付をされていないのでちょっと地味な印象ですが、個性はピカ一のパティスリーです。
辻口シェフのお菓子とちょっと似ていると言われていた時期もありましたが、現在はまさに独自路線で、非常に個性的です。
今年出版された、発展チーズ菓子はチーズが苦手だった神田シェフのアイデアが満載されたチーズ菓子が沢山掲載されていてとても興味深い内容でした。
さて今回はプチガトー4種(これだけに収めるのが大変でした...)と焼き菓子を購入してみました。次回は是非店内でイートインしてみたいと思っています。
●フロマージュ・クリュ@336:ロートンヌでも常にベスト3以内に入る売上を誇る人気商品。もともとチーズが大の苦手だった神田シェフなのですが、そんな人でも食べられるチーズケーキを...とのことで作ったそうです。
土台はビスキュイ・ジョコンド、その上にパイナップル、上にはたっぷりのクレーム・フロマージュ・クリュ。クレームには脂肪分の違う低脂肪生クリームを3種類ブレンド。仕上げにプードル・クレーム(クリームの粉)をかけてナパージュ・ヌートルで雫を作ります。
このお菓子の特徴はほんのりとした塩味とチーズのマッチング。塩は能登半島産の「球洲の塩」を使用。フレッシュで上品、明るい味わいのパイナップルを合わせるところがまた粋です。普通だと木苺とかにしがちです。シュワっと広がる淡いチーズの風味と塩味が独特なプチガトーです。かなり繊細な柔らかさなのでお持ち歩きにはご注意ください。★5.0
●トライアンフ@380:土台はショコラオレとフィヤンティーヌでその上にカフェ風味のショコラブランのムース。ショコラブランはヴァローナのイヴォワールを使用してコクを深めているそうです。中央にあるビスキュイはオレンジ風味のパウンドケーキ。
中央のくぼみにはタヒチ産ヴァニラを加えたキャラメルソース。仕上げにピストレ・ブランシュ(ショコラブランを吹き付ける)を全体的に行い、カカオ分70%のプラックと生木苺でデコレート。
カプチーノのような味わいの中に濃厚なミルキィ感と最後にふわっと残るビターオレンジの風味...。ただのカフェ風味ではありません。複雑性があります。フィヤンティーヌのカリカリっとした食感も輝きがあり、一口ごとに楽しさが増します。くぼみにあるキャラメルソースもパンチがありますね。どこを食べても、気合を感じます。デコレーションも繊細で、ピンと張り詰めた緊張感が漂います。★4.9
●エピス@380:チーズとスパイスを組み合わせた神田シェフの真骨頂。この組み合わせで更に味覚に広がりが増しています。
シナモン風味のビスキュイで周りと土台を作り、その中にシャンティイとシナモンとナツメグ風味を着けた南瓜とクリームチーズのムースをたっぷりとのせてあります。表面にはショコラ・ノワールをピストレして、プラックショコラでデコレート。
南瓜とクリームチーズ、更にエピスを加えて...どんな味なんだろうかと思ったら意外に繊細なのにほっこり感があるのに研ぎ澄まされた味わい...というこちらも複雑性があります。
やはりクレーム・エピス(クリームチーズ&南瓜)が一番印象的で、南瓜のほっこり感が薄っすらあって、クリームチーズのコクが全体を包み込んでいます。鼻腔に抜けるシナモン&ナツメグが濃すぎず、薄す過ぎず...繊細な風味。素材だけ見るとこんな洗練された味わいになるとはとても思えないのですが、それが実現できているのがスゴイなと思いました。★4.5
●Yソレイユ@480:以前は食べたイメージから名前にソレイユ=太陽にしたのかなと思ったら、どうやら奥様の名前からインスパイアして命名したそうです。
ビスキュイを土台にしてその上にはグラン・マニエ風味のオレンジの鮮烈なコンフィとガナッシュのようなショコラオレのムースが重なっています。表面はピストレ・ショコラオレとグラッサージュ・ショコラの雫。
ねっとりとして穏やかなショコラオレの風味を楽しんでいると、後からカツーンと脳天を突き抜けるような鮮烈なオレンジ風味がやってきます。オレンジとショコラって最近ではありがちな組み合わせですが、この「鮮烈さ」はロートンヌ独特のものです。★4.5
●ポン・ヌフ@263:オーボンヴュータンのお菓子が大好きで通い詰めて食べまくった神田シェフが作るフランスの地方菓子。
パリのシテ島を繋ぐ橋として1604年にセーヌ川にかけられた最古の橋である“ポンヌフ”(Pont nuef)からとった名前。ポンヌフ(Pont nuef=新橋)なのに最古の橋っていうのが面白いです。
下にはパートフイユテ、中にはクレームパティシエールと干杏を入れて、パータシューを絞って焼いあります。表面にはクロスしたパータシュー、その間には粉砂糖と木苺のジャム。この十字の生地が橋を表現しているそうです。
パリっとした食感の中にねっとりとしたクレームと杏。食感のコントラストも見事です。フランス菓子って小麦粉の文化だよなーってつくづく実感すると共に、木苺のジャムと干杏の味の濃度が生地によくマッチしています。焼き立てよりもちょっと全体が馴染んでから食べると味わい深いです。★4.8
神田シェフが自ら仰っています、「マカロンは僕の十八番」。
以前から非常に美味しいなと思っていたマカロンですが、なかなか食べられる機会に恵まれず久々です。さてどんな味なのでしょうか。見た目からして以前とちょっと違うようなのですが...。
●マカロン・パリジャン“ピスターシュ”@150:表面はカサっとマットでドライな緑色のマカロン生地の間にはピスターシュのペースト入りのガナッシュのようなクレームオブールのようなものが挟まっています。
むむむ!以前よりも存在感がある生地に進化しているように思いました。カサっとした表面とふんわりしていながらもちょっとばかりのネッチリ感を湛えた主張するマカロン生地。香ばしいのですがちょっと青さを感じるピスターシュの風味の出し方。ナッティだけどどこかオリーブオイルのような風味がたまりません。シンプルなのですが、センスを感じます。これはイイ!★5.0
●マカロン・パリジャン“カシス”@150:こちらもやはりピエがしっかりとある紫色のマカロン生地、間にはカシス風味のクレームオブールが挟まっています。色合いが綺麗です。
マカロン生地の方の分量がやや多目のマカロン。以前はちょっと穏やかな風味でしたが、今回はしっかりと酸味が効いた深い風味のカシスが出ています。甘やかなマカロン生地との味のコントラストも見事。ちょっとだけネッチリと口の中に残る生地もイイですね。★4.8
●マカロン・パリジャン“ポンム・キャラメル”@150:真っ赤なマカロン生地の間にはキャラメル風味のクレームオブールと林檎のコンフィを和えたものが挟まっていました。
ホワっとしながらも少々のネッチリ感があるマカロン生地、ううん、いいですね。噛み締めると中から林檎のギュっとくる酸味。結構全体的にドライな食感なのにこのジューシィさったら、鮮烈です。林檎の旨みをギュっと閉じ込めたマカロン。最後に香ばしく懐かしいシナモン風味がふわっと残りました。★5.0
林檎入りのマカロンを作っているところが多々あり、いくつか頂きましたけども納得できる味のところは今までありませんでした...。ロートンヌのを食べて是非参考にしてほしいものです。
マカロンは数年前に比べると格段に“進化”しています。季節ごとのフレーヴァーもありますし、常備品も充実していました。プチガトーはもう言うことがありません。デコレーションや味の組み合わせ、フランス菓子というか神田広達菓子という域に達しています。スパイスの利かせ方がとても上品なのにしっかり主張しているのが素晴らしいです。また新作が楽しみなパティスリーです。(2008/1/6★5、写真投稿)
==============
見た目からしてキテいました。ここのお菓子はとても繊細で、美しいと思いました。味は見た目の繊細さとは裏腹に、パンチ力があり、またとても印象に残るものです。特に美味しいと思ったのは周りがキャラメルになっている六角形のケーキで(名前忘れました・・・新作らしいです)このねっとりとしたキャラメルの濃いい味と中のさっぱりとしたミルクショコラのムース、台のカリカリサクサクした食感との対比たまりません。上にのっているヒラヒラした飾りのショコラも苦めで、口どけが良い。細部に渡る作りの徹底ぶりが伺えます。有名なソレイユは「なんでこんな見た目なのにソレイユ?」と思いますが、食べればそれがなぜソレイユか一目瞭然です。控えめなショコラの風味の中にオレンジの印象的な鮮やかな味が潜んでいました。オレンジ=ソレイユなんだなーと実感しまいた。生のフロマージュブランたっぷりのフロマージュクリュもとてもインパクトがあります。塩味と甘みの微妙なバランス!こんなチーズケーキ食べたことありません。焼いたチーズケーキにはこんな味は出せません。この味を日本で売るのはかなり勇気がいると思います。見た目は「あれ?これモンサンクレールのセ・ラ・ヴィじゃない?」って感じですが、味は全然違います(笑)モンブランも美味しかったです。(2003/8/7★5)
昼 1,000~3,000円
夜 1,000~3,000円
ら・利す帆んで辻口シェフと共に修行した後、渡仏。数々のコンクールで入賞を果たし、実家であるロートンヌを継いだのは1998年。あまり百貨店のクリスマスケーキなどでも受付をされていないのでちょっと地味な印象ですが、個性はピカ一のパティスリーです。
辻口シェフのお菓子とちょっと似ていると言われていた時期もありましたが、現在はまさに独自路線で、非常に個性的です。
今年出版された、発展チーズ菓子はチーズが苦手だった神田シェフのアイデアが満載されたチーズ菓子が沢山掲載されていてとても興味深い内容でした。
さて今回はプチガトー4種(これだけに収めるのが大変でした...)と焼き菓子を購入してみました。次回は是非店内でイートインしてみたいと思っています。
●フロマージュ・クリュ@336:ロートンヌでも常にベスト3以内に入る売上を誇る人気商品。もともとチーズが大の苦手だった神田シェフなのですが、そんな人でも食べられるチーズケーキを...とのことで作ったそうです。
土台はビスキュイ・ジョコンド、その上にパイナップル、上にはたっぷりのクレーム・フロマージュ・クリュ。クレームには脂肪分の違う低脂肪生クリームを3種類ブレンド。仕上げにプードル・クレーム(クリームの粉)をかけてナパージュ・ヌートルで雫を作ります。
このお菓子の特徴はほんのりとした塩味とチーズのマッチング。塩は能登半島産の「球洲の塩」を使用。フレッシュで上品、明るい味わいのパイナップルを合わせるところがまた粋です。普通だと木苺とかにしがちです。シュワっと広がる淡いチーズの風味と塩味が独特なプチガトーです。かなり繊細な柔らかさなのでお持ち歩きにはご注意ください。★5.0
●トライアンフ@380:土台はショコラオレとフィヤンティーヌでその上にカフェ風味のショコラブランのムース。ショコラブランはヴァローナのイヴォワールを使用してコクを深めているそうです。中央にあるビスキュイはオレンジ風味のパウンドケーキ。
中央のくぼみにはタヒチ産ヴァニラを加えたキャラメルソース。仕上げにピストレ・ブランシュ(ショコラブランを吹き付ける)を全体的に行い、カカオ分70%のプラックと生木苺でデコレート。
カプチーノのような味わいの中に濃厚なミルキィ感と最後にふわっと残るビターオレンジの風味...。ただのカフェ風味ではありません。複雑性があります。フィヤンティーヌのカリカリっとした食感も輝きがあり、一口ごとに楽しさが増します。くぼみにあるキャラメルソースもパンチがありますね。どこを食べても、気合を感じます。デコレーションも繊細で、ピンと張り詰めた緊張感が漂います。★4.9
●エピス@380:チーズとスパイスを組み合わせた神田シェフの真骨頂。この組み合わせで更に味覚に広がりが増しています。
シナモン風味のビスキュイで周りと土台を作り、その中にシャンティイとシナモンとナツメグ風味を着けた南瓜とクリームチーズのムースをたっぷりとのせてあります。表面にはショコラ・ノワールをピストレして、プラックショコラでデコレート。
南瓜とクリームチーズ、更にエピスを加えて...どんな味なんだろうかと思ったら意外に繊細なのにほっこり感があるのに研ぎ澄まされた味わい...というこちらも複雑性があります。
やはりクレーム・エピス(クリームチーズ&南瓜)が一番印象的で、南瓜のほっこり感が薄っすらあって、クリームチーズのコクが全体を包み込んでいます。鼻腔に抜けるシナモン&ナツメグが濃すぎず、薄す過ぎず...繊細な風味。素材だけ見るとこんな洗練された味わいになるとはとても思えないのですが、それが実現できているのがスゴイなと思いました。★4.5
●Yソレイユ@480:以前は食べたイメージから名前にソレイユ=太陽にしたのかなと思ったら、どうやら奥様の名前からインスパイアして命名したそうです。
ビスキュイを土台にしてその上にはグラン・マニエ風味のオレンジの鮮烈なコンフィとガナッシュのようなショコラオレのムースが重なっています。表面はピストレ・ショコラオレとグラッサージュ・ショコラの雫。
ねっとりとして穏やかなショコラオレの風味を楽しんでいると、後からカツーンと脳天を突き抜けるような鮮烈なオレンジ風味がやってきます。オレンジとショコラって最近ではありがちな組み合わせですが、この「鮮烈さ」はロートンヌ独特のものです。★4.5
●ポン・ヌフ@263:オーボンヴュータンのお菓子が大好きで通い詰めて食べまくった神田シェフが作るフランスの地方菓子。
パリのシテ島を繋ぐ橋として1604年にセーヌ川にかけられた最古の橋である“ポンヌフ”(Pont nuef)からとった名前。ポンヌフ(Pont nuef=新橋)なのに最古の橋っていうのが面白いです。
下にはパートフイユテ、中にはクレームパティシエールと干杏を入れて、パータシューを絞って焼いあります。表面にはクロスしたパータシュー、その間には粉砂糖と木苺のジャム。この十字の生地が橋を表現しているそうです。
パリっとした食感の中にねっとりとしたクレームと杏。食感のコントラストも見事です。フランス菓子って小麦粉の文化だよなーってつくづく実感すると共に、木苺のジャムと干杏の味の濃度が生地によくマッチしています。焼き立てよりもちょっと全体が馴染んでから食べると味わい深いです。★4.8
神田シェフが自ら仰っています、「マカロンは僕の十八番」。
以前から非常に美味しいなと思っていたマカロンですが、なかなか食べられる機会に恵まれず久々です。さてどんな味なのでしょうか。見た目からして以前とちょっと違うようなのですが...。
●マカロン・パリジャン“ピスターシュ”@150:表面はカサっとマットでドライな緑色のマカロン生地の間にはピスターシュのペースト入りのガナッシュのようなクレームオブールのようなものが挟まっています。
むむむ!以前よりも存在感がある生地に進化しているように思いました。カサっとした表面とふんわりしていながらもちょっとばかりのネッチリ感を湛えた主張するマカロン生地。香ばしいのですがちょっと青さを感じるピスターシュの風味の出し方。ナッティだけどどこかオリーブオイルのような風味がたまりません。シンプルなのですが、センスを感じます。これはイイ!★5.0
●マカロン・パリジャン“カシス”@150:こちらもやはりピエがしっかりとある紫色のマカロン生地、間にはカシス風味のクレームオブールが挟まっています。色合いが綺麗です。
マカロン生地の方の分量がやや多目のマカロン。以前はちょっと穏やかな風味でしたが、今回はしっかりと酸味が効いた深い風味のカシスが出ています。甘やかなマカロン生地との味のコントラストも見事。ちょっとだけネッチリと口の中に残る生地もイイですね。★4.8
●マカロン・パリジャン“ポンム・キャラメル”@150:真っ赤なマカロン生地の間にはキャラメル風味のクレームオブールと林檎のコンフィを和えたものが挟まっていました。
ホワっとしながらも少々のネッチリ感があるマカロン生地、ううん、いいですね。噛み締めると中から林檎のギュっとくる酸味。結構全体的にドライな食感なのにこのジューシィさったら、鮮烈です。林檎の旨みをギュっと閉じ込めたマカロン。最後に香ばしく懐かしいシナモン風味がふわっと残りました。★5.0
林檎入りのマカロンを作っているところが多々あり、いくつか頂きましたけども納得できる味のところは今までありませんでした...。ロートンヌのを食べて是非参考にしてほしいものです。
マカロンは数年前に比べると格段に“進化”しています。季節ごとのフレーヴァーもありますし、常備品も充実していました。プチガトーはもう言うことがありません。デコレーションや味の組み合わせ、フランス菓子というか神田広達菓子という域に達しています。スパイスの利かせ方がとても上品なのにしっかり主張しているのが素晴らしいです。また新作が楽しみなパティスリーです。(2008/1/6★5、写真投稿)
==============
見た目からしてキテいました。ここのお菓子はとても繊細で、美しいと思いました。味は見た目の繊細さとは裏腹に、パンチ力があり、またとても印象に残るものです。特に美味しいと思ったのは周りがキャラメルになっている六角形のケーキで(名前忘れました・・・新作らしいです)このねっとりとしたキャラメルの濃いい味と中のさっぱりとしたミルクショコラのムース、台のカリカリサクサクした食感との対比たまりません。上にのっているヒラヒラした飾りのショコラも苦めで、口どけが良い。細部に渡る作りの徹底ぶりが伺えます。有名なソレイユは「なんでこんな見た目なのにソレイユ?」と思いますが、食べればそれがなぜソレイユか一目瞭然です。控えめなショコラの風味の中にオレンジの印象的な鮮やかな味が潜んでいました。オレンジ=ソレイユなんだなーと実感しまいた。生のフロマージュブランたっぷりのフロマージュクリュもとてもインパクトがあります。塩味と甘みの微妙なバランス!こんなチーズケーキ食べたことありません。焼いたチーズケーキにはこんな味は出せません。この味を日本で売るのはかなり勇気がいると思います。見た目は「あれ?これモンサンクレールのセ・ラ・ヴィじゃない?」って感じですが、味は全然違います(笑)モンブランも美味しかったです。(2003/8/7★5)