九州チャンポンへの達人のクチコミ
休日の土曜日。
遅い昼ご飯を食べに、以前から気になっていた、綾瀬にある、九州ちゃんぽん、を車で訪れた。
丁度、通りの向かいに駐車場があるので、そこに車を止め、横断歩道を渡って店内に入る。
いつも綾瀬二丁目の交差点に車で通り掛かると、この店の大きなオレンジ色の目立つテントが目に入り、何れ訪問しようと考えていたのであった。
昼時をかなり過ぎていた事もあり、広い店内に、先客は1組の家族連れと中年男性の1人客が2人だけと、空いていた。
夕方通り掛ったりすると、かなり混み合っている事が多く、なかなか人気がある店、なのである。
看板にもテントにも書かれている通り、この店の看板は、本場の味、の、ちゃんぽんである。
しかしながら、晩ご飯を食べに来ている男性客、特にガテン系の方や学生は、その多くが定食類を頼むらしい。
理由は簡単、ご飯の量が丼に山盛りで、しかもお代わり自由、なのである。
僕の知人の男子学生も、以前は、この店の山盛りご飯の定食を食べていたとの事。
しかしながら、初めて訪問した身であれば、やはり敬意を表して看板料理を食べると言うものであろう。
壁に書かれた品書きを見れば、ちゃんぽんだけでも何種類もあり、並々ならぬ自信が窺われし、この時僕の周りで食べている客達は、皆、ちゃんぽんを食べている。
そこで、基本形となる、ちゃんぽん750円、を、接客係の比較的若い男性に頼む事にした。
厨房内には中年の男性料理人が居たが、僕の注文が入ると、何やら奥に向かって声を掛けている。
すると、店の奥から、煙草を銜え(くわえ)、前屈み(まえかがみ)になって歩く老人が現れた。
改めて中年料理人がこの老人に、「ちゃんぽん1つ。」と、注文を通すと、銜えていた煙草をポイと捨て、すっくと背を伸ばすや、重い中華鍋を手に取った。
さっきまで、前屈みによたよた歩いていた老人が、まるで嘘の様に雄々しく鍋を振るう。
小柄で痩せた老人とは思えない鍋捌きで。
ほう…と、その姿に見とれているうちに、ポン、と、ガス台に鍋を置き、再び老人は前屈みになって煙草を口に銜えると、ゆっくりと店の奥に消えて行った。
「お待ちどうさま。」
僕の前に、もうもうと湯気の立ち昇るちゃんぽんの丼が置かれた。
豚骨スープの良い匂いがする。
丼は、それ程大きな物ではないが、麺を覆う様に盛られた、モヤシ、刻みキャベツ、笹掻きにされた人参、蒲鉾、豚肉、の量は十分なもの。
既に閉店してしまった浅草のちゃんぽんの老舗、ハイラルのちゃんぽんに比べれば、その倍は盛られている。
同じ様に老人が作ったちゃんぽんとは思えない、若々しいちゃんぽん、とでも言おうか…。
スープは、野菜その他の具材を炒めた際に出るスープがたっぷり入る事で、仄かに甘味のあるあっさりとした豚骨に仕上がっており、飲み易く、美味い。
縮れの無い太麺は、伸びやかで、食べ応えのある食感。
なるほど、流石に本場の味、と謳うだけの事はある。
察するに、この本場の味を出す事が出来るのは、あの老人だけなのではあるまいか。
九州出身、若しくは、九州で修行をした若者が、東京で店を開き、今まで店を営んで来た…そういう事なのだと思う。
これはいけない。
老人のあの様子では、この本場の味を味わうには、時間的制限があるのかも知れぬ。
…そんな事を考えながら、イグニッション・キーを回したのだった。
(ブログからクチコミするには?)
このレビューはブログからの投稿です。
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昼 1,000円以下
休日の土曜日。
遅い昼ご飯を食べに、以前から気になっていた、綾瀬にある、九州ちゃんぽん、を車で訪れた。
丁度、通りの向かいに駐車場があるので、そこに車を止め、横断歩道を渡って店内に入る。
いつも綾瀬二丁目の交差点に車で通り掛かると、この店の大きなオレンジ色の目立つテントが目に入り、何れ訪問しようと考えていたのであった。
昼時をかなり過ぎていた事もあり、広い店内に、先客は1組の家族連れと中年男性の1人客が2人だけと、空いていた。
夕方通り掛ったりすると、かなり混み合っている事が多く、なかなか人気がある店、なのである。
看板にもテントにも書かれている通り、この店の看板は、本場の味、の、ちゃんぽんである。
しかしながら、晩ご飯を食べに来ている男性客、特にガテン系の方や学生は、その多くが定食類を頼むらしい。
理由は簡単、ご飯の量が丼に山盛りで、しかもお代わり自由、なのである。
僕の知人の男子学生も、以前は、この店の山盛りご飯の定食を食べていたとの事。
しかしながら、初めて訪問した身であれば、やはり敬意を表して看板料理を食べると言うものであろう。
壁に書かれた品書きを見れば、ちゃんぽんだけでも何種類もあり、並々ならぬ自信が窺われし、この時僕の周りで食べている客達は、皆、ちゃんぽんを食べている。
そこで、基本形となる、ちゃんぽん750円、を、接客係の比較的若い男性に頼む事にした。
厨房内には中年の男性料理人が居たが、僕の注文が入ると、何やら奥に向かって声を掛けている。
すると、店の奥から、煙草を銜え(くわえ)、前屈み(まえかがみ)になって歩く老人が現れた。
改めて中年料理人がこの老人に、「ちゃんぽん1つ。」と、注文を通すと、銜えていた煙草をポイと捨て、すっくと背を伸ばすや、重い中華鍋を手に取った。
さっきまで、前屈みによたよた歩いていた老人が、まるで嘘の様に雄々しく鍋を振るう。
小柄で痩せた老人とは思えない鍋捌きで。
ほう…と、その姿に見とれているうちに、ポン、と、ガス台に鍋を置き、再び老人は前屈みになって煙草を口に銜えると、ゆっくりと店の奥に消えて行った。
「お待ちどうさま。」
僕の前に、もうもうと湯気の立ち昇るちゃんぽんの丼が置かれた。
豚骨スープの良い匂いがする。
丼は、それ程大きな物ではないが、麺を覆う様に盛られた、モヤシ、刻みキャベツ、笹掻きにされた人参、蒲鉾、豚肉、の量は十分なもの。
既に閉店してしまった浅草のちゃんぽんの老舗、ハイラルのちゃんぽんに比べれば、その倍は盛られている。
同じ様に老人が作ったちゃんぽんとは思えない、若々しいちゃんぽん、とでも言おうか…。
スープは、野菜その他の具材を炒めた際に出るスープがたっぷり入る事で、仄かに甘味のあるあっさりとした豚骨に仕上がっており、飲み易く、美味い。
縮れの無い太麺は、伸びやかで、食べ応えのある食感。
なるほど、流石に本場の味、と謳うだけの事はある。
察するに、この本場の味を出す事が出来るのは、あの老人だけなのではあるまいか。
九州出身、若しくは、九州で修行をした若者が、東京で店を開き、今まで店を営んで来た…そういう事なのだと思う。
これはいけない。
老人のあの様子では、この本場の味を味わうには、時間的制限があるのかも知れぬ。
…そんな事を考えながら、イグニッション・キーを回したのだった。
(ブログからクチコミするには?)
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