しろたえへの達人のクチコミ
大切にしまっておいた思い出の味は、いつの間にか実際のそれ以上に美化されていまうのだろうか・・・
梅雨前の少し肌寒い午後・・・
赤坂で思い出した様に伺っった、「しろたえ」
可愛い絵柄の看板、木の扉、ちょっと暗めの古風な感じが却って懐かしさを増大させる。
ショーウィンドーには相変わらずのお菓子達が並んでいる。
南瓜のプリンのガトーデリス、シュークリーム、レアチーズケーキ、ガトーフレーズ・・・
やや、垢抜けない感じもするのだけれど、どれも、奇を衒わない大人しい雰囲気のお菓子達。
何十年も昔、初めてこちらを訪ねた折、並んでいるケーキのシンプルで優しい味わいにとても感動したのを思えている。
2階に上がると、まだ昼時のピークの前なのか、他にお客様は居なかった。
サロンドテという程の空間ではなく、本当に喫茶室といった雰囲気・・・
窓に近い席に座り、可愛い手描きでお菓子の説明が書かれているメニューなどを見ながら、
何十年ぶりかの懐かしいガトーデリスと紅茶を注文する。
再会したガトーデリスは、四角い顔をちょっと誇らしげに傾けていた。
だが・・・
記憶の中に大切にしまってあったあの味とはどこかが違っていた。
食べた瞬間のワクワクする様な感激がないのである。
何処か余所余所しい食感で、何かを語り掛けてくれる様な、優しさを感じられなかった。
カップに注がれたお茶が、ゆっくりと冷めていく・・・
それから・・・
小雨のぱらつく、とある午後、
昼食後のお茶に再訪した。
友人との待ち合わせの時間調整のため・・・
そんな他愛もない理由だったのに、それでもやはりケーキは食べてしまう。
2階の喫茶室は、お昼時のせいか、また他のお客の姿はなかった。
同じ席に着いて、今度はタルトフレーズと冷煎茶を注文した。
敢えて、頂いた事のない普通の季節のケーキを選んだのは、また同じ様な失望感を感じたくなかったからである。
バトン型のタルトに大きなイチゴが乗っていて、そしてグレーズが掛かっている。
ややグレーズが強めだけれども、イチゴの甘酸っぱさとタルトの優しい味がした。
思い出の味を踏襲する事は出来ないけれど、それでも充分に何処かで息衝いている懐かしい味の継承・・・
それでも、どこかで巡り合えなくなっってしまった味への重いが募ってくる。
・・・記憶の中の味は、年月と共に勝手に美化されてしまうのかも知れない・・・
それとも、あの頃に持っていた純粋さが今の自分から無くなっているだけなのだろうか?
答えのない問いを繰り返す。
気持ちを、ふっと思い出の向こう側に飛ばそうと思った時、
丁度、食後のお茶を飲みにやってきた数名の男性の足音が聞こえて来て、
紛れもない現実の時間に私は引き戻された。
外の小雨はやんだのだろうか?
マホガニー色の小さなテーブルに少しだけ明るい日差しが差して、
グラスの氷が少しだけ鈍く光っていた。
梅雨前の少し肌寒い午後・・・
赤坂で思い出した様に伺っった、「しろたえ」
可愛い絵柄の看板、木の扉、ちょっと暗めの古風な感じが却って懐かしさを増大させる。
ショーウィンドーには相変わらずのお菓子達が並んでいる。
南瓜のプリンのガトーデリス、シュークリーム、レアチーズケーキ、ガトーフレーズ・・・
やや、垢抜けない感じもするのだけれど、どれも、奇を衒わない大人しい雰囲気のお菓子達。
何十年も昔、初めてこちらを訪ねた折、並んでいるケーキのシンプルで優しい味わいにとても感動したのを思えている。
2階に上がると、まだ昼時のピークの前なのか、他にお客様は居なかった。
サロンドテという程の空間ではなく、本当に喫茶室といった雰囲気・・・
窓に近い席に座り、可愛い手描きでお菓子の説明が書かれているメニューなどを見ながら、
何十年ぶりかの懐かしいガトーデリスと紅茶を注文する。
再会したガトーデリスは、四角い顔をちょっと誇らしげに傾けていた。
だが・・・
記憶の中に大切にしまってあったあの味とはどこかが違っていた。
食べた瞬間のワクワクする様な感激がないのである。
何処か余所余所しい食感で、何かを語り掛けてくれる様な、優しさを感じられなかった。
カップに注がれたお茶が、ゆっくりと冷めていく・・・
それから・・・
小雨のぱらつく、とある午後、
昼食後のお茶に再訪した。
友人との待ち合わせの時間調整のため・・・
そんな他愛もない理由だったのに、それでもやはりケーキは食べてしまう。
2階の喫茶室は、お昼時のせいか、また他のお客の姿はなかった。
同じ席に着いて、今度はタルトフレーズと冷煎茶を注文した。
敢えて、頂いた事のない普通の季節のケーキを選んだのは、また同じ様な失望感を感じたくなかったからである。
バトン型のタルトに大きなイチゴが乗っていて、そしてグレーズが掛かっている。
ややグレーズが強めだけれども、イチゴの甘酸っぱさとタルトの優しい味がした。
思い出の味を踏襲する事は出来ないけれど、それでも充分に何処かで息衝いている懐かしい味の継承・・・
それでも、どこかで巡り合えなくなっってしまった味への重いが募ってくる。
・・・記憶の中の味は、年月と共に勝手に美化されてしまうのかも知れない・・・
それとも、あの頃に持っていた純粋さが今の自分から無くなっているだけなのだろうか?
答えのない問いを繰り返す。
気持ちを、ふっと思い出の向こう側に飛ばそうと思った時、
丁度、食後のお茶を飲みにやってきた数名の男性の足音が聞こえて来て、
紛れもない現実の時間に私は引き戻された。
外の小雨はやんだのだろうか?
マホガニー色の小さなテーブルに少しだけ明るい日差しが差して、
グラスの氷が少しだけ鈍く光っていた。