コートドールへの達人のクチコミ
春と云ってしまうには、まだ肌寒いこの時期・・・
~コート・ドールでお昼をいかがでしょうか~
こんな素敵な午餐のお誘いを頂きました。
白金高輪駅で待ち合わせ・・・
すっかり様変わりした都心の街並み・・・夥しく林立するビル
行き交う車の波、その中に取り残された様にある昔ながらの家並み・・・
現代と過去が入り混じり、その不釣合いな光景をまるで異国を旅する
旅行者の様に眺めながら、「黄金の丘」を目指します。
まだ、風は冷たく、晩冬特有の空には重く灰色の雲が垂れ込めています。
歩く事、暫し・・・
大きなマンションが見えて来ます。
こちらが目指す
「コート・ドール~黄金の丘~」
マンションの一角に厳粛に佇む、風格のある入り口
ドアを明けると、素敵な生花が出迎えてくださいます。
シックで格調高い店内は、程良い位の広さ。
大き過ぎず、狭過ぎず、厳粛で格式がありそうな、心地良い古さと、
それでも、どこかホッとする様な穏やかな空気が流れております。
窓に近いテーブルに案内されると、雲の合間からほんの少し零れた日差しが
小さなお庭の見えるガラス越しに、白いテーブルクロスに映っていました。
本日の献立は、お誘いくださった先達の方が予めご予約くださっていて、
メインのみを決める形になっておりました。
この日のメインは、お肉はこの時期ならではのジビエ、蝦夷鹿
お魚はえいのムニエル。
えいのムニエルにも、心惹かれて、少し悩みましたが、
やはり時節のものを頂きたいので、蝦夷鹿を頂く事に致しました。
午餐を祝してシャンパーニュで乾杯致しました。
本日のシャンパーニュはドゥ・ラ・ピエール・ブリュット
早春の木漏れ日を思わせる淡い金色のそれは、華やかだけれども軽い口当たり。
優雅な午餐の幕開けにはぴったりです。
最初のアミューズは、こちらのスペシャリティとも言える赤ピーマンのムース。
真っ白なお皿に、ややくすんだ珊瑚朱色のムースの下には鮮やかな紅のトマトのクーリ・・・
そのドラマティックな色合いがとても美しくて、スプーンを入れるのが、思わず躊躇してしまいそうになります。
仄かに、しかししっかりと舌に伝わる赤ピーマンの風味、そうして淡雪の様に滑らかな口解け・・・
まさしくスペシャリティーといわれるだけの逸品。これからの献立に期待出来そうな素晴らしい幕開けでございます。
一皿目の前菜は、白子と馬鈴薯のガレットのパイ包み焼き。
~是非ともこの時期に召し上がって頂きたい~
先達の方が、今回の午餐のためにご用意くださいました、この時期ならではのメニュー。
伺えば、毎年何かしらの創意工夫を凝らされていて、今回は薄く切った馬鈴薯が美しい狐色の焼き色を見せています。
ナイフを入れるとさっくりとした馬鈴薯の下から、たっぷりの白子が顔を覗かせて馨しい湯気が立ち昇ります。
カリッとした馬鈴薯、さっくりとした香ばしいパイ、それに甘さを増した滋味溢れる蕩けるような白子が、
それぞれの異なる食感がお口の中で一つになって、何とも言えないハーモニーを奏でてくれます。
あしらわれた色鮮やかなグリーンのインゲンの優しい味わいと、やや酸味の効いたライトグリーンの香草のソースがアクセントになっていて素晴らしい味わいでした。
グラスでお願いした、程よく冷えたシャブリ・サン・ピエールが熱々の白子とバターの風味一杯のパイに良く合います。
続いての前菜は、小さな牡蠣と下仁田葱の入った、暖かで滑らかなポタージュ。
珍しい南国土佐の蛤程度の可愛い牡蠣ですが、小さい分、凝縮された濃厚なお味で肉質も身が締まっていて程よい食感です。
牡蠣の旨味が溢れているポタージュは、さらりと仕立てられていて、牡蠣の風味を損ないません。
冬に一層甘味を増してくる下仁田葱も堪らない美味しさ。パンと白ワインがとても良く進んでしまう一皿です。
ゆっくりと愛しむ様に頂きました。
そうして・・・
本日のメインは今日は蝦夷鹿のロースト・ボワブラードソース。
表面ははしばみ色にこんがりと焼かれた大きなお肉の断面は、熟れた木苺を思わせる様な、鮮やかな深紅色・・・
血が滴る様な大きなお肉は、野趣溢れるジビエの醍醐味です。
添えられた薩摩芋と林檎のピューレの金色掛かった杏色が柔らかな雰囲気を見せています。
シンプルに焼かれた蝦夷鹿の個性的な味わいに、ベルベットの様にしなやかで濃厚な香りのボワブラードソースが
と良く馴染み、一口毎に美味しさがシンプルに楽しめるローストに仕上がっています。
サツマイモとリンゴのほっこりとした口当たりと甘酸っぱさが、蝦夷鹿のローストに、丁度良いアクセントを加えております。
こちらには、ミシェル・ルーションのシャトー・ド・コスタニエール・フォジェール・キュヴェ・プレステージをグラスで頂き、
ジビエとワインのマリアージュも愉しみました。
アヴァンデセールは、完熟蜜柑のソルベ。
濃厚な蝦夷鹿の後、お口直しに丁度良い、爽やかな香りと甘さ、そうして微かなほろ苦さが、
口の中ですんなりと蕩けます。
まさに季節の果実の持ち味を余す所なく堪能出来ます。
デセール一皿目、今の時季だけのこちらのスペシャリテ、苺のスープ。
真っ白い器に苺の鮮やかな紅が、一際美しく、思わず歓声を上げてしまう様に、眼が惹き付けられてしまいます。
今回は半皿分を盛り付けて頂きましたが、通常の一人前は、贅沢にも苺1パックを使用していらっしゃるとか・・・
完熟の苺を、苺のピューレで和えた非常にシンプルでなデザートですが、素直に美味しいと思えるデザートでございました。
強い香りと華やかな甘さ、そうして仄かな酸味・・・薫り高い苺をしっかり堪能致しました。
続いて、二皿目のデセール、クレームシトロンのパリブレスト。
先ほどの苺のスープとは違って、シックな雰囲気を醸し出しています。
さっくりとしたシューと爽やかなレモンの香りと酸味のクリームの相性が抜群、
底には、焼いたメレンゲが入っていて、その食感がクリーム、シューと共に頂くと
何とも言えない素敵な調和を伝えてくれます。
口の中に一足早く、春風が吹いた様な、爽やかで優しいデセールでございました。
最後は、すっかり満足した気分で、食後の珈琲と、添えられたショコラとフィナンシェでまったり・・・
お昼にも関わらず、すっかり長居をしてしまいました。
冬の終わりのジビエや蜜柑、一足早い春を感じさせる苺・・・
テーブルの上のお皿には、それぞれの季節が交差しておりました。
どのお料理も決して衒うことのない、見た目もシンプルな仕上がりでしたが、
これ見よがしの派手な演出とは違った、存在感のある重厚な内容で、素材を活かす技に満ちております。
とても印象的で、ゆったりとした時間を過ごせる素晴らしいレストランでございました。
丁重に見送られて外に出れば、
まだ、晩冬の風は冷たく、相変わらず鉛色の曇り空に戻っていましたが、
とても幸せな帰り道でした。
~春はもうすぐそこまで来ています~
「黄金の丘」の帰り道
確かに、そこには、まだ来ていない“春”が存在していたのです。
そんな暖かで、晴れやかな気持ちになれる、素敵な午餐でした。
雲の合間から、時折日の光が零れて来て、
どこからか沈丁花の花の香りがふっと届いてきます。
このコメントを、ご手配頂いたA様へ・・・
拝
~コート・ドールでお昼をいかがでしょうか~
こんな素敵な午餐のお誘いを頂きました。
白金高輪駅で待ち合わせ・・・
すっかり様変わりした都心の街並み・・・夥しく林立するビル
行き交う車の波、その中に取り残された様にある昔ながらの家並み・・・
現代と過去が入り混じり、その不釣合いな光景をまるで異国を旅する
旅行者の様に眺めながら、「黄金の丘」を目指します。
まだ、風は冷たく、晩冬特有の空には重く灰色の雲が垂れ込めています。
歩く事、暫し・・・
大きなマンションが見えて来ます。
こちらが目指す
「コート・ドール~黄金の丘~」
マンションの一角に厳粛に佇む、風格のある入り口
ドアを明けると、素敵な生花が出迎えてくださいます。
シックで格調高い店内は、程良い位の広さ。
大き過ぎず、狭過ぎず、厳粛で格式がありそうな、心地良い古さと、
それでも、どこかホッとする様な穏やかな空気が流れております。
窓に近いテーブルに案内されると、雲の合間からほんの少し零れた日差しが
小さなお庭の見えるガラス越しに、白いテーブルクロスに映っていました。
本日の献立は、お誘いくださった先達の方が予めご予約くださっていて、
メインのみを決める形になっておりました。
この日のメインは、お肉はこの時期ならではのジビエ、蝦夷鹿
お魚はえいのムニエル。
えいのムニエルにも、心惹かれて、少し悩みましたが、
やはり時節のものを頂きたいので、蝦夷鹿を頂く事に致しました。
午餐を祝してシャンパーニュで乾杯致しました。
本日のシャンパーニュはドゥ・ラ・ピエール・ブリュット
早春の木漏れ日を思わせる淡い金色のそれは、華やかだけれども軽い口当たり。
優雅な午餐の幕開けにはぴったりです。
最初のアミューズは、こちらのスペシャリティとも言える赤ピーマンのムース。
真っ白なお皿に、ややくすんだ珊瑚朱色のムースの下には鮮やかな紅のトマトのクーリ・・・
そのドラマティックな色合いがとても美しくて、スプーンを入れるのが、思わず躊躇してしまいそうになります。
仄かに、しかししっかりと舌に伝わる赤ピーマンの風味、そうして淡雪の様に滑らかな口解け・・・
まさしくスペシャリティーといわれるだけの逸品。これからの献立に期待出来そうな素晴らしい幕開けでございます。
一皿目の前菜は、白子と馬鈴薯のガレットのパイ包み焼き。
~是非ともこの時期に召し上がって頂きたい~
先達の方が、今回の午餐のためにご用意くださいました、この時期ならではのメニュー。
伺えば、毎年何かしらの創意工夫を凝らされていて、今回は薄く切った馬鈴薯が美しい狐色の焼き色を見せています。
ナイフを入れるとさっくりとした馬鈴薯の下から、たっぷりの白子が顔を覗かせて馨しい湯気が立ち昇ります。
カリッとした馬鈴薯、さっくりとした香ばしいパイ、それに甘さを増した滋味溢れる蕩けるような白子が、
それぞれの異なる食感がお口の中で一つになって、何とも言えないハーモニーを奏でてくれます。
あしらわれた色鮮やかなグリーンのインゲンの優しい味わいと、やや酸味の効いたライトグリーンの香草のソースがアクセントになっていて素晴らしい味わいでした。
グラスでお願いした、程よく冷えたシャブリ・サン・ピエールが熱々の白子とバターの風味一杯のパイに良く合います。
続いての前菜は、小さな牡蠣と下仁田葱の入った、暖かで滑らかなポタージュ。
珍しい南国土佐の蛤程度の可愛い牡蠣ですが、小さい分、凝縮された濃厚なお味で肉質も身が締まっていて程よい食感です。
牡蠣の旨味が溢れているポタージュは、さらりと仕立てられていて、牡蠣の風味を損ないません。
冬に一層甘味を増してくる下仁田葱も堪らない美味しさ。パンと白ワインがとても良く進んでしまう一皿です。
ゆっくりと愛しむ様に頂きました。
そうして・・・
本日のメインは今日は蝦夷鹿のロースト・ボワブラードソース。
表面ははしばみ色にこんがりと焼かれた大きなお肉の断面は、熟れた木苺を思わせる様な、鮮やかな深紅色・・・
血が滴る様な大きなお肉は、野趣溢れるジビエの醍醐味です。
添えられた薩摩芋と林檎のピューレの金色掛かった杏色が柔らかな雰囲気を見せています。
シンプルに焼かれた蝦夷鹿の個性的な味わいに、ベルベットの様にしなやかで濃厚な香りのボワブラードソースが
と良く馴染み、一口毎に美味しさがシンプルに楽しめるローストに仕上がっています。
サツマイモとリンゴのほっこりとした口当たりと甘酸っぱさが、蝦夷鹿のローストに、丁度良いアクセントを加えております。
こちらには、ミシェル・ルーションのシャトー・ド・コスタニエール・フォジェール・キュヴェ・プレステージをグラスで頂き、
ジビエとワインのマリアージュも愉しみました。
アヴァンデセールは、完熟蜜柑のソルベ。
濃厚な蝦夷鹿の後、お口直しに丁度良い、爽やかな香りと甘さ、そうして微かなほろ苦さが、
口の中ですんなりと蕩けます。
まさに季節の果実の持ち味を余す所なく堪能出来ます。
デセール一皿目、今の時季だけのこちらのスペシャリテ、苺のスープ。
真っ白い器に苺の鮮やかな紅が、一際美しく、思わず歓声を上げてしまう様に、眼が惹き付けられてしまいます。
今回は半皿分を盛り付けて頂きましたが、通常の一人前は、贅沢にも苺1パックを使用していらっしゃるとか・・・
完熟の苺を、苺のピューレで和えた非常にシンプルでなデザートですが、素直に美味しいと思えるデザートでございました。
強い香りと華やかな甘さ、そうして仄かな酸味・・・薫り高い苺をしっかり堪能致しました。
続いて、二皿目のデセール、クレームシトロンのパリブレスト。
先ほどの苺のスープとは違って、シックな雰囲気を醸し出しています。
さっくりとしたシューと爽やかなレモンの香りと酸味のクリームの相性が抜群、
底には、焼いたメレンゲが入っていて、その食感がクリーム、シューと共に頂くと
何とも言えない素敵な調和を伝えてくれます。
口の中に一足早く、春風が吹いた様な、爽やかで優しいデセールでございました。
最後は、すっかり満足した気分で、食後の珈琲と、添えられたショコラとフィナンシェでまったり・・・
お昼にも関わらず、すっかり長居をしてしまいました。
冬の終わりのジビエや蜜柑、一足早い春を感じさせる苺・・・
テーブルの上のお皿には、それぞれの季節が交差しておりました。
どのお料理も決して衒うことのない、見た目もシンプルな仕上がりでしたが、
これ見よがしの派手な演出とは違った、存在感のある重厚な内容で、素材を活かす技に満ちております。
とても印象的で、ゆったりとした時間を過ごせる素晴らしいレストランでございました。
丁重に見送られて外に出れば、
まだ、晩冬の風は冷たく、相変わらず鉛色の曇り空に戻っていましたが、
とても幸せな帰り道でした。
~春はもうすぐそこまで来ています~
「黄金の丘」の帰り道
確かに、そこには、まだ来ていない“春”が存在していたのです。
そんな暖かで、晴れやかな気持ちになれる、素敵な午餐でした。
雲の合間から、時折日の光が零れて来て、
どこからか沈丁花の花の香りがふっと届いてきます。
このコメントを、ご手配頂いたA様へ・・・
拝