綱町三井倶楽部へのクチコミ
友人のご主人の紹介で日曜日にランチに行きました。日曜なのでランチのメニューはなく、ディナーのメニューからお願いすることになります。
なんといってもこちらの建物と庭園は是非拝見したいものです。食事前のひととき手入れの行き届いた庭を散歩しました。時代がかった噴水のある芝生の広場を抜けると、丘あり、池あり、水は流れていませんでしたが滝のようなものもありました。残念ながら花菖蒲の時期には遅く紫陽花が散見されました。桜の木がたくさんありましたので春は華やいだ庭になるのでしょう。
当日は結婚式が一組入っていましたので個室での食事となりました。去年耐震工事をされたそうで部屋の漆喰やカーテンなどは新しくなっていました。椅子は張り替えてあるものの古いものが使われており、脚部分には細工がされていて興味深いものでした。高い天井にシックな色合い(この部屋は謁見の間と呼ばれブルーがテーマカラーでした。)大理石のマントル、落ち着いた光を放つシャンデリア、イギリスの古い邸宅におじゃましたような錯覚に陥りそうです。
さて、ランチですが、HPのメニューはあまり食指の動くものではありませんでした。印象としてクラッシクな感じでしたし、シェフについても情報が少なくて多いに?のまま臨む事に。
前菜はノルウェーサーモンのマリネとホワイトアスパラのテリーヌ。飾りにちょんと絞ったクリームチーズにキャビアが、ほんの少しですがよいものでした。この塩気がちょっと味を引き締めています。サーモンは食べ応えのある厚みですが、次第に口の中でとろけていきます。フヌイユと赤ピーマンのソースをつけるとまた違った感じで楽しめます。パセリとフヌイユの香りが爽やかな夏らしい冷たい一皿でした。
夏期限定シェフのお薦めスープはグラスの底になめらかなカボチャのスープ、その上にコンソメゼリーがかけられた定番のものです。口取りにカボチャの千切りを揚げたものが散らされて時々シャリッと。どこのお店でもよく見かけるものですが、コンソメはお手本のように素晴らしいものでした。かなり冷たくされていましたが一口含むとふっと香りが広がります。コンソメ独特のあの香りと旨味、儚く溶けるコンソメゼリーに目のない私ですが文句なく100点!!
鮎”たらば蟹”詰めパイ包み焼、揚げ蓼添。とても手の込んだお料理です。中骨を除いた鮎のお腹にたっぷりのたらば蟹を詰めてパイで包んだもの、ソースは軽めのオランデーズに蓼を刻み込んでいます。甘さ、酸味、蓼の風味、よくバランスのとれたソースでした。蟹にパイにオランデーズで不味い訳ありません。が、たらば蟹が勝ってしまうんですよね。鮎の存在感が薄くなってしまってもったいないような気がしました。それぞれに引き立たせ合うと良かったのですが。
牛ロース肉蒸焼シシリアントマト添バジル風味。それぞれメニューに書いてある通りの料理名を載せていますがよそのお店なら牛ロースのロティとするところでしょうね、こんなところにもここの気概のようなものを感じます。牛は仙台牛、歯触りからA5またはそれに準ずるお肉だと察します。焼き加減が肉の味を楽しむのに大変よい状態で甘いマデラソースがぴったり。付け合わせは輪切りの米なすの上に小さなトマトの輪切りがきっちり円を描くように並べられ、間にペースト状のバジルをサンド、軽くローストがかかっています。かなり酸味の強いトマトでバジルとともに茄子のソース代わりになっていました。肉の脂をさっぱり流しリセットしてくれます。
気をてらったお皿は一つもありません。むしろオーソドックスですが、とても丁寧な作りを感じました。ジョエル・ロブションの2重ドットのソースとまではいきませんがきれいに描かれたソースもありました。厨房は地下とうかがいましたがどれくらいのスタッフが働いているのでしょう、手をかけるのを惜しまないぞという姿勢が伝わってきました。
食事のあとは館内や新館地下のセラーをソムリエの方に案内してしていただきました。
エントランスホールにはロダンの彫像が置かれています。なんとこれが何の囲いもなく触れてしまえるんです!! 反対側には古い大きな美しい振子時計、天井は吹き抜けで楕円に開いた二階の床の先にはドーム状のステンドグラスが輝いていました。2階にはたいへんおおきな螺鈿の細工が施された明治のころの鏡や、進駐軍に接収された際に米兵にその一部を持ち出されて四重の塔になってしまったいわくつきの五重の塔が展示されています。
予約があれば使用できるというバー、2,3段階段を上がるとそこは別世界。三方には様々なお酒の瓶が雛壇状にディスプレーされ博物館のようです。1800年代のブランデーがガラスケースに。130年ほど前のラベルのはがれたオールドパーがひっそりとカウンターに。もはや開けることはないのでしょう、長い年月でだいぶ中身が減っておりました。静かに時が止まったような空間でした。
新館の地下へと通じる階段は一段降りる毎に冷気が伝わってきます。カチリと鍵を回したその先には落とした照明の中に壮観なワインの世界が広がっていました。総数およそ1万5千本。左手にはビンテージもののワインがしなやかな曲線を描いたシェルフに横たえられています。倶楽部開設当初に三井各家から集められたワインがセラーに持ち込まれたそうです。中には戦火から逃れるため土中に埋めて守られたものもあったとか。アメリカに帰国するマッカーサーが2本だけ持ち帰ったというシャトー・ペトリュスのワイン。東京オリンピックの開催決定に大きな役割を果たしたイケムの一箱などなどワインにまつわる数々の逸話もそっとこのセラーに納められているようです。ワイン好きにはたまらない場所でしょう。
時を重ねて尚魅力的な館内、他では見られないようなワインのコレクションなど心に残るものに多く触れることができましたが、最後に大変印象に残ったのはシェフやソムリエ、スタッフの多くの方がこちらの生え抜きであったことです。長い時間をかけてワインを熟成させるように、じっくりと人を育てる倶楽部の懐の深さを感じました。
なんといってもこちらの建物と庭園は是非拝見したいものです。食事前のひととき手入れの行き届いた庭を散歩しました。時代がかった噴水のある芝生の広場を抜けると、丘あり、池あり、水は流れていませんでしたが滝のようなものもありました。残念ながら花菖蒲の時期には遅く紫陽花が散見されました。桜の木がたくさんありましたので春は華やいだ庭になるのでしょう。
当日は結婚式が一組入っていましたので個室での食事となりました。去年耐震工事をされたそうで部屋の漆喰やカーテンなどは新しくなっていました。椅子は張り替えてあるものの古いものが使われており、脚部分には細工がされていて興味深いものでした。高い天井にシックな色合い(この部屋は謁見の間と呼ばれブルーがテーマカラーでした。)大理石のマントル、落ち着いた光を放つシャンデリア、イギリスの古い邸宅におじゃましたような錯覚に陥りそうです。
さて、ランチですが、HPのメニューはあまり食指の動くものではありませんでした。印象としてクラッシクな感じでしたし、シェフについても情報が少なくて多いに?のまま臨む事に。
前菜はノルウェーサーモンのマリネとホワイトアスパラのテリーヌ。飾りにちょんと絞ったクリームチーズにキャビアが、ほんの少しですがよいものでした。この塩気がちょっと味を引き締めています。サーモンは食べ応えのある厚みですが、次第に口の中でとろけていきます。フヌイユと赤ピーマンのソースをつけるとまた違った感じで楽しめます。パセリとフヌイユの香りが爽やかな夏らしい冷たい一皿でした。
夏期限定シェフのお薦めスープはグラスの底になめらかなカボチャのスープ、その上にコンソメゼリーがかけられた定番のものです。口取りにカボチャの千切りを揚げたものが散らされて時々シャリッと。どこのお店でもよく見かけるものですが、コンソメはお手本のように素晴らしいものでした。かなり冷たくされていましたが一口含むとふっと香りが広がります。コンソメ独特のあの香りと旨味、儚く溶けるコンソメゼリーに目のない私ですが文句なく100点!!
鮎”たらば蟹”詰めパイ包み焼、揚げ蓼添。とても手の込んだお料理です。中骨を除いた鮎のお腹にたっぷりのたらば蟹を詰めてパイで包んだもの、ソースは軽めのオランデーズに蓼を刻み込んでいます。甘さ、酸味、蓼の風味、よくバランスのとれたソースでした。蟹にパイにオランデーズで不味い訳ありません。が、たらば蟹が勝ってしまうんですよね。鮎の存在感が薄くなってしまってもったいないような気がしました。それぞれに引き立たせ合うと良かったのですが。
牛ロース肉蒸焼シシリアントマト添バジル風味。それぞれメニューに書いてある通りの料理名を載せていますがよそのお店なら牛ロースのロティとするところでしょうね、こんなところにもここの気概のようなものを感じます。牛は仙台牛、歯触りからA5またはそれに準ずるお肉だと察します。焼き加減が肉の味を楽しむのに大変よい状態で甘いマデラソースがぴったり。付け合わせは輪切りの米なすの上に小さなトマトの輪切りがきっちり円を描くように並べられ、間にペースト状のバジルをサンド、軽くローストがかかっています。かなり酸味の強いトマトでバジルとともに茄子のソース代わりになっていました。肉の脂をさっぱり流しリセットしてくれます。
気をてらったお皿は一つもありません。むしろオーソドックスですが、とても丁寧な作りを感じました。ジョエル・ロブションの2重ドットのソースとまではいきませんがきれいに描かれたソースもありました。厨房は地下とうかがいましたがどれくらいのスタッフが働いているのでしょう、手をかけるのを惜しまないぞという姿勢が伝わってきました。
食事のあとは館内や新館地下のセラーをソムリエの方に案内してしていただきました。
エントランスホールにはロダンの彫像が置かれています。なんとこれが何の囲いもなく触れてしまえるんです!! 反対側には古い大きな美しい振子時計、天井は吹き抜けで楕円に開いた二階の床の先にはドーム状のステンドグラスが輝いていました。2階にはたいへんおおきな螺鈿の細工が施された明治のころの鏡や、進駐軍に接収された際に米兵にその一部を持ち出されて四重の塔になってしまったいわくつきの五重の塔が展示されています。
予約があれば使用できるというバー、2,3段階段を上がるとそこは別世界。三方には様々なお酒の瓶が雛壇状にディスプレーされ博物館のようです。1800年代のブランデーがガラスケースに。130年ほど前のラベルのはがれたオールドパーがひっそりとカウンターに。もはや開けることはないのでしょう、長い年月でだいぶ中身が減っておりました。静かに時が止まったような空間でした。
新館の地下へと通じる階段は一段降りる毎に冷気が伝わってきます。カチリと鍵を回したその先には落とした照明の中に壮観なワインの世界が広がっていました。総数およそ1万5千本。左手にはビンテージもののワインがしなやかな曲線を描いたシェルフに横たえられています。倶楽部開設当初に三井各家から集められたワインがセラーに持ち込まれたそうです。中には戦火から逃れるため土中に埋めて守られたものもあったとか。アメリカに帰国するマッカーサーが2本だけ持ち帰ったというシャトー・ペトリュスのワイン。東京オリンピックの開催決定に大きな役割を果たしたイケムの一箱などなどワインにまつわる数々の逸話もそっとこのセラーに納められているようです。ワイン好きにはたまらない場所でしょう。
時を重ねて尚魅力的な館内、他では見られないようなワインのコレクションなど心に残るものに多く触れることができましたが、最後に大変印象に残ったのはシェフやソムリエ、スタッフの多くの方がこちらの生え抜きであったことです。長い時間をかけてワインを熟成させるように、じっくりと人を育てる倶楽部の懐の深さを感じました。