賛否両論への達人のクチコミ
何かとテレビ出演が多い、店主の笠原将弘さんのお店、賛否両論です。かなり予約を入れるのが大変で、毎月始めの日から次の月の予約を開始するとのことで、そのタイミングを見計らって予約することが出来ました。笠原将弘さんの実家は武蔵小山にある、焼き鳥“とり将”というお店。
修行は正月屋吉兆から始まり、9年間勤め、その後病に倒れた父の代わりに“とり将”を切り盛りします。2004年に“とり将”を退店し、恵比寿に賛否両論をオープン。その後の人気振りは皆さんご存知の通りです。
店内は早い時間から既に満席状態で、カウンター席と個室席が2つ程で狭いのですが、ガヤガヤと活気がありました。
今回は初めての訪問でしたので、夜のコース5,250円を頂きました。この他に皿数と素材がグレードアップする8,400円のコースもありますし、ミニコースやおつまみコースは午後10時〜提供しています。
●先付け:茸豆腐、ダシのジュレと雲丹添え、青柚子の香り。
いきなり、フルフルっとした柔らかくて冷たい前菜からスタートです。茸がたっぷりと詰まっているのでしょうが、姿形は見えない豆腐。ダシがガッチリと効いたジュレがフルフルで柔らかく、口に入れると体温で溶けていきます。雲丹はちょっと大味な印象ですが、ちょっとフランス料理的な味わいでいした。
●揚げ物:新栗と柿のおかき衣揚げと銀杏の素揚げ添え。
おかきを粉々しにして、それを衣にした揚げ物です。季節の柿と日本の新栗をつぶした物を丸めて団子状にしてあります。
柿がフライになっている・・・とちょっと警戒してしまいましたが、塩を付けて食べると香ばしいおかきの風味でパリパリの衣と柿のねっとりとした食感と甘さが相まって何とも言えない味わい。塩を少し付けると複雑な味になりました。
栗がたっぷりと入った団子はホックホクでサツマイモのようです。塩を付けると更に甘みが増し、秋の風味が口いっぱいに広がりました。衣のおかきが非常に決キメ細かいです。
●お椀:鱧と松茸のお吸い物です。刻んだ切り三つ葉と青柚子が添えられていました。
渋い黒っぽい塗り物のお椀は黒真珠のような輝きがあって、大人の色合いです。中にはシンプルに、骨切りした鱧と旬の松茸が結構たっぷりと入っていました。
かなり香りが良いです。というかこの素材ですからね。ダシが少々薄めで塩濃い目に感じてしまったのは気候のせいか、体調のせいか、その前に食べたもののせいか・・・分かりませんが、具材は良かったですけど。
●お造り:鯛の刺身、胡麻ダレとアヴォカドの盛り合わせ。
アヴォカドは食べやすい大きさに切られていて、適度な熟し具合。上に黒いものが添えられていますが、なんだか忘れてしまいました。
鯛は身が柔らかめで、血合いの香りが少々気になりましたが、上に刻んだ茗荷と胡麻ダレがかかっていて、ナッティで食べやすい味わい。
●焼き物:秋鯖の焼き物、葡萄ポン酢大根おろし添え。上にはコスモスのような花びらとすだちが添えられていました。
秋鯖は物凄い脂が乗っていて、ワイルドな食感。焼き加減もよく、皮から齧ると中から脂がブチっと弾けました。
添えてある葡萄入りのポン酢風味の大根おろしは葡萄と鯖との相性が心配でしたが、問題なく食べることが出来ました。ポン酢の酸味と葡萄の酸味が呼応して、鯖の脂がさっぱりとしていて、効果的な組み合わせだなと思いました。
そうこうしているうちに、やはりこういうお料理だと日本酒が飲みたくなってきてしまいました。
●飛露喜 特別純米@1,000:店員さんのオススメということで頂きました、福島の会津坂下の街中にある、廣木酒造本店の特別純米酒。
特に地元では泉川醸造元という名前で親しまれています。
トロリとしていて、割と濃厚な味わいで。ガツンと喉に染みてくる感じがしましたが、飲みやすく、お料理にも適度にあわせやすい味でした。適度に旨みが感じられて、穏やかな風味。しっかり辛口なので、お料理の味を邪魔しません。軽くお燗にしてもいいかなと思いました。
●秋茄子餡がけ茶碗蒸し。
上には焼き茄子の餡がたっぷりとかかっていて、下にはプルプルの茶碗蒸しが隠れています。かなり小ぶりな入れ物ですが、熱々でサーヴされました。
焼いた茄子なので、非常にスモーキィでトロリとしており、一見したところでは香ばしい風味わかりません。茶碗蒸しのニュートラルな味わいにアクセントを加えていました。トロリとした焼き茄子餡なので、熱々状態がずっと保たれています。
●燻りがっことマスカルポーネ。こちらのスペシャリテの一つらしいです。洋の和が融合した簡単な一品です。ちょっとあわ立てたように軽くなったマスカルポーネに黒胡椒がかかっていて、それにスライスした秋田名物燻りがっこ。
かなり風味が強い燻りがっこに黒胡椒の風味が複雑性を与えていて、マスカルポーネがモンブランのシャンティイ的な役割で緩和剤となっています。これだけでもワインのつまみになりそうな味わいでした。使っているマスカルポーネは普通にスーパーなどで販売されているものでしたが、一つ一つ丁寧に盛り付けているスタッフの姿が印象的でした。
●ご飯と味噌汁。鶏そぼろ入り土鍋ご飯。味噌汁は魚のアラが入ったものででした。
鶏そぼろは胡麻がたっぷりとかかっていて硬めで、香ばしい仕上がり。しかし、鶏がほとんと存在感がなく、ご飯に薄っすらと味がしみているかな、という程度でした。焼きおにぎりにしたら美味しそうなご飯かもしれません。
大人気の大きな理由の一つがデセールが充実していることです。この日は6種類から選択することが出来ました。いくつ食べてもお値段一緒なんだそうです。
●デセールその1:とり将プリンと大葉シャーベット。
大場のシャーベットはふんわりとしたかき氷のような風味で、大葉のさっぱりとした味わいとほんのりと甘さがあります。もう一つは、笠原さんの実家の焼き鳥店の名前がついたプリン。
プリンというか、クレーム・ブリュレに近い味わいで、かなり卵黄が濃厚に感じられる味わい。表面は砂糖をかけて焦がしてあるので、クレーム・ブリュレでいいんじゃないかと思いました。乳製品が濃い目のトロリンプリン系ではなく、卵黄が濃くて、卵の芳醇さを重視した造りでした。
●デセールその2:季節のフルーツと餡蜜、そしてフローズニョーグルト青梅ジャム添え。
今日のあんこというものがこの日はあんみつでした。普通の寒天と黒蜜寒、カットした無花果、赤紫色のしっとりとした粒餡がたっぷりと添えられています。
無花果はよく熟していて、食べ頃。小ぶりながらも粒餡がたっぷりなので食べ応えがあります。しかし、粒餡の皮がちょっと硬めだったのが気になりました。
フローズンヨーグルトはもわっとした食感で家庭的な味わいでしたが、青梅を添えると一気に複雑な味わいで和風になりました。青梅のさっぱりした風味がフローズンヨーグルトの酸味を引き立てていました。
最後に煎茶を頂いて終わりです。煎茶がちょっと薄すぎるような気がしました。
全体的にかなり量は少なめですが、松茸など季節の素材をしっかり使っているのでそこそこ満足感があります。でもやっぱり、なんだかちょっと物足りない・・・それをデセールで補う感じでしょうか。
スタッフが多いのですが、皆さん厨房に入ったきりなので、サーヴィスはちょっと行き届いていないかな、と思いました。店主の笠原さんは全ての料理の仕上げをしっかり行っていて、あまりしゃべったり、接客したり・・・ということはありません。
お客さんは80%は女性で、かなり店内が騒がしいです。なのでカップルでゆっくり語らいながら食べたいという方よりも女性同士でワイワイと飲んで食べるという方が向いていると思います。
繋がりにくい電話を何度もかけて、1ヶ月半近くも待って行く価値があるか、と問われるとちょっと微妙なところで、値段も安いから、値段相応味相応というところでしょうか。(2008/11/25★3)
おすすめメニュー
夜 5,000~10,000円
修行は正月屋吉兆から始まり、9年間勤め、その後病に倒れた父の代わりに“とり将”を切り盛りします。2004年に“とり将”を退店し、恵比寿に賛否両論をオープン。その後の人気振りは皆さんご存知の通りです。
店内は早い時間から既に満席状態で、カウンター席と個室席が2つ程で狭いのですが、ガヤガヤと活気がありました。
今回は初めての訪問でしたので、夜のコース5,250円を頂きました。この他に皿数と素材がグレードアップする8,400円のコースもありますし、ミニコースやおつまみコースは午後10時〜提供しています。
●先付け:茸豆腐、ダシのジュレと雲丹添え、青柚子の香り。
いきなり、フルフルっとした柔らかくて冷たい前菜からスタートです。茸がたっぷりと詰まっているのでしょうが、姿形は見えない豆腐。ダシがガッチリと効いたジュレがフルフルで柔らかく、口に入れると体温で溶けていきます。雲丹はちょっと大味な印象ですが、ちょっとフランス料理的な味わいでいした。
●揚げ物:新栗と柿のおかき衣揚げと銀杏の素揚げ添え。
おかきを粉々しにして、それを衣にした揚げ物です。季節の柿と日本の新栗をつぶした物を丸めて団子状にしてあります。
柿がフライになっている・・・とちょっと警戒してしまいましたが、塩を付けて食べると香ばしいおかきの風味でパリパリの衣と柿のねっとりとした食感と甘さが相まって何とも言えない味わい。塩を少し付けると複雑な味になりました。
栗がたっぷりと入った団子はホックホクでサツマイモのようです。塩を付けると更に甘みが増し、秋の風味が口いっぱいに広がりました。衣のおかきが非常に決キメ細かいです。
●お椀:鱧と松茸のお吸い物です。刻んだ切り三つ葉と青柚子が添えられていました。
渋い黒っぽい塗り物のお椀は黒真珠のような輝きがあって、大人の色合いです。中にはシンプルに、骨切りした鱧と旬の松茸が結構たっぷりと入っていました。
かなり香りが良いです。というかこの素材ですからね。ダシが少々薄めで塩濃い目に感じてしまったのは気候のせいか、体調のせいか、その前に食べたもののせいか・・・分かりませんが、具材は良かったですけど。
●お造り:鯛の刺身、胡麻ダレとアヴォカドの盛り合わせ。
アヴォカドは食べやすい大きさに切られていて、適度な熟し具合。上に黒いものが添えられていますが、なんだか忘れてしまいました。
鯛は身が柔らかめで、血合いの香りが少々気になりましたが、上に刻んだ茗荷と胡麻ダレがかかっていて、ナッティで食べやすい味わい。
●焼き物:秋鯖の焼き物、葡萄ポン酢大根おろし添え。上にはコスモスのような花びらとすだちが添えられていました。
秋鯖は物凄い脂が乗っていて、ワイルドな食感。焼き加減もよく、皮から齧ると中から脂がブチっと弾けました。
添えてある葡萄入りのポン酢風味の大根おろしは葡萄と鯖との相性が心配でしたが、問題なく食べることが出来ました。ポン酢の酸味と葡萄の酸味が呼応して、鯖の脂がさっぱりとしていて、効果的な組み合わせだなと思いました。
そうこうしているうちに、やはりこういうお料理だと日本酒が飲みたくなってきてしまいました。
●飛露喜 特別純米@1,000:店員さんのオススメということで頂きました、福島の会津坂下の街中にある、廣木酒造本店の特別純米酒。
特に地元では泉川醸造元という名前で親しまれています。
トロリとしていて、割と濃厚な味わいで。ガツンと喉に染みてくる感じがしましたが、飲みやすく、お料理にも適度にあわせやすい味でした。適度に旨みが感じられて、穏やかな風味。しっかり辛口なので、お料理の味を邪魔しません。軽くお燗にしてもいいかなと思いました。
●秋茄子餡がけ茶碗蒸し。
上には焼き茄子の餡がたっぷりとかかっていて、下にはプルプルの茶碗蒸しが隠れています。かなり小ぶりな入れ物ですが、熱々でサーヴされました。
焼いた茄子なので、非常にスモーキィでトロリとしており、一見したところでは香ばしい風味わかりません。茶碗蒸しのニュートラルな味わいにアクセントを加えていました。トロリとした焼き茄子餡なので、熱々状態がずっと保たれています。
●燻りがっことマスカルポーネ。こちらのスペシャリテの一つらしいです。洋の和が融合した簡単な一品です。ちょっとあわ立てたように軽くなったマスカルポーネに黒胡椒がかかっていて、それにスライスした秋田名物燻りがっこ。
かなり風味が強い燻りがっこに黒胡椒の風味が複雑性を与えていて、マスカルポーネがモンブランのシャンティイ的な役割で緩和剤となっています。これだけでもワインのつまみになりそうな味わいでした。使っているマスカルポーネは普通にスーパーなどで販売されているものでしたが、一つ一つ丁寧に盛り付けているスタッフの姿が印象的でした。
●ご飯と味噌汁。鶏そぼろ入り土鍋ご飯。味噌汁は魚のアラが入ったものででした。
鶏そぼろは胡麻がたっぷりとかかっていて硬めで、香ばしい仕上がり。しかし、鶏がほとんと存在感がなく、ご飯に薄っすらと味がしみているかな、という程度でした。焼きおにぎりにしたら美味しそうなご飯かもしれません。
大人気の大きな理由の一つがデセールが充実していることです。この日は6種類から選択することが出来ました。いくつ食べてもお値段一緒なんだそうです。
●デセールその1:とり将プリンと大葉シャーベット。
大場のシャーベットはふんわりとしたかき氷のような風味で、大葉のさっぱりとした味わいとほんのりと甘さがあります。もう一つは、笠原さんの実家の焼き鳥店の名前がついたプリン。
プリンというか、クレーム・ブリュレに近い味わいで、かなり卵黄が濃厚に感じられる味わい。表面は砂糖をかけて焦がしてあるので、クレーム・ブリュレでいいんじゃないかと思いました。乳製品が濃い目のトロリンプリン系ではなく、卵黄が濃くて、卵の芳醇さを重視した造りでした。
●デセールその2:季節のフルーツと餡蜜、そしてフローズニョーグルト青梅ジャム添え。
今日のあんこというものがこの日はあんみつでした。普通の寒天と黒蜜寒、カットした無花果、赤紫色のしっとりとした粒餡がたっぷりと添えられています。
無花果はよく熟していて、食べ頃。小ぶりながらも粒餡がたっぷりなので食べ応えがあります。しかし、粒餡の皮がちょっと硬めだったのが気になりました。
フローズンヨーグルトはもわっとした食感で家庭的な味わいでしたが、青梅を添えると一気に複雑な味わいで和風になりました。青梅のさっぱりした風味がフローズンヨーグルトの酸味を引き立てていました。
最後に煎茶を頂いて終わりです。煎茶がちょっと薄すぎるような気がしました。
全体的にかなり量は少なめですが、松茸など季節の素材をしっかり使っているのでそこそこ満足感があります。でもやっぱり、なんだかちょっと物足りない・・・それをデセールで補う感じでしょうか。
スタッフが多いのですが、皆さん厨房に入ったきりなので、サーヴィスはちょっと行き届いていないかな、と思いました。店主の笠原さんは全ての料理の仕上げをしっかり行っていて、あまりしゃべったり、接客したり・・・ということはありません。
お客さんは80%は女性で、かなり店内が騒がしいです。なのでカップルでゆっくり語らいながら食べたいという方よりも女性同士でワイワイと飲んで食べるという方が向いていると思います。
繋がりにくい電話を何度もかけて、1ヶ月半近くも待って行く価値があるか、と問われるとちょっと微妙なところで、値段も安いから、値段相応味相応というところでしょうか。(2008/11/25★3)